今、世界中でロボット革命に関連する多くのムーブメントが起きています。格安のセンサーからスマートフォンとの連携技術、また部品を3Dプリントすることなど様々です。
では、これらのロボットに知性と自律性を与えるためソフトウェアはどうするのか?
その開発を進めているのが、NASAなどからも資金調達を行っているケンブリッジのスタートアップ「Neurala」です。年内におけるソフトウェアの発売を目指しています。
こちらは、同じ動作を繰り返すような反復的な動きや人間がリモコンで操作するためのプログラミングに依存させません。人の介入なしに学び、環境に適応し続けるロボットを低コストで誕生させようとしています。
Neuralaのソフトウェアで動くロボットは、人間の脳と同じように場所を確認し、人間の顔を識別し、目の前にある物を認識します。
全てのロボットの頭脳となることを目指す「Neurala」。今後の動向に注目です。
「人間とは何か?」が議論される際の3つの文脈
photo credit: ajari via photopin cc
ロボット革命が進む中で、米国では、少しずつ「知性のあるロボットの人権」などについても議論が始まっているようです。
現代における「人間とは何か?」という議論には、大きく3つのアプローチがあります。
1つは、経済学的数理モデルで説明される人間。つまり人間は、欲求や効用最大化のために動いていくという人間観を切り取るアプローチです。もっと、分かりやすく言ってしまえば「エコノミックアニマルである人間」を論ずるアプローチ。
そして、もう1つは脳科学、また進化生物学的アプローチ。つまり、人間の心理メカニズムの多くは生物の環境適応メカニズムであると捉えていく進化心理学的アプローチ。
最後に伝統的社会学、つまり道徳や哲学といったところから、人間を把握しようとするアプローチです。
3つのうちの前者2つは、数値化が可能であり、定量的把握をしやすい分野です。
一方3つ目の伝統的社会学における人間観は、定性的なところです。例えば「思いやり」や「責任感」、「誠実さ」について論ずる場合です。
ロボットが進化し、社会が大きく変化する中、これらの要素をうまく組み合わせ「人間とは何か?」という議論を、本格的に進めていくタイミングなのでしょう。