工業デザイナーの Jinsop Lee氏が興味深い理論をTEDで披露しています。
Jinsop Lee: Design for all 5 senses
プロダクトを開発する際に、嗅覚、視覚、触覚、聴覚、味覚の五感的経験をデザインするというもの。
例えば、任天堂DSとこれまでのゲームの違いは、カラダを動かすという触覚においてです。この違いでゲーム業界に革命を起こしました。それが示されているのが下記の図です。
また、日本でも人気のあるジョニーデップ主演の「チャーリーのチョコレート工場」の映画と児童小説である原作を比べた図。音と映像という意味では、映画が優れており、書籍は、手にを持つという触覚、そして古びた本の臭いという嗅覚において優れています。
今後5年間で私たちの生活を一変させる5つのイノベーションを紹介するIBMの未来予測 Next 5 in 5。昨年は、まさに五感に関するものでした。スマホを通じてモノに触ることができ、コンピューターが味覚や嗅覚を持つようになる…。
【参考】
IBMの未来予測。今後5年間で私たちの生活を一変させる5つのイノベーション
このような流れを考えても、この五感の機能デザインはこれからのプロダクト開発において注目すべき要素となる可能性があります。
詳細のTED動画はこちらから。
生まれくる21世紀型の新しいモノづくり理論
昨日は、ある歯ブラシの開発についてのお話を伺っていました。
つくづくモノづくりへの興味関心が高まっていると感じるこのごろですが、今必要なことは革新的なプロダクトを開発するための理論体系でしょう。
これまでは、「どう売るか?」というマーケティングにおける体系が様々生まれ、世界中に広まっていきました。戦略論も、多くは「どう売るか?」という問いから生まれたものでした。
しかし、デジタルファブリケーションによってモノづくりが民主化されマーケットそのものの「性質」が変わる時代においては、「何を作るか?」という問いを中心に置いた新しい理論体系が生まれる必要があります。
そういう意味でも、今回の五感的経験における理論は興味深いですね。
自分が好きな癒しの香りがする歯ブラシ(嗅覚)…、味がして歯磨きをするとお腹いっぱいになる歯ブラシ(味覚)…、歯ブラシの持ち手がツボ押しになっていて、歯磨きするだけで健康になる歯ブラシ(触覚)…と、まあいろいろと考えられますね(笑)
この辺りについては、引き続き大いに注目していきたいと思っています。