自転車のベル…、これまで単体で買ったことがある人は手を挙げてください!(笑)
クラウドファンディング最大手Kickstartaerにて「アメリカ製の自転車のベル」が、33万ドル(3,300万円)を超える資金調達をしました。目標は2万ドル(200万円)でしたので、15倍以上の達成額です。
A better bicycle bell, made in the USA.
少なくとも私は、自分で自転車のベルを単体で買ったことはないですし、周りの人が興奮して自転車のベルの話をしていたことを聞いたことがありません…。しかし、1個35ドルからのこのベルを5,800人以上が購入しています…。
もちろん、製品自体は良さそう。小さくて頑丈で音も良い。
構造はシンプルですが、精密な技術が結集されています。
そして、色も選べます。なんというか「自転車のベル美」を感じる製品であり…、言って見れば、自転車のベル業界のiPhone!と言ったところでしょうか(笑)
考えさせられることの多いプロジェクトです。詳細動画はこちらからご確認ください。
その理由を考えてみる…
この自転車のベルが、Kickstarterで巨額の資金を調達できる理由を考えてみます。
・英語圏だから
→15億人以上の英語圏のマーケット規模から考えると、自転車のベルという一見ニッチなものでも、そこそこの額を集められてしまうという点はあるでしょう。日本語圏、つまり日本人口はこの10分の1以下です。イメージとして「日本で行って300万円集まった」という風に考えたら、理解できるかもしれません。
・クラウドファンディングを複数回利用(ファンの獲得)
→この自転車のベルで資金調達を行う前には、独走的な自転車グリップ「GripRings」でも資金調達を成功させています。金額的には1万6千ドル(160万円)と今回の調達額よりは、断然安いですが、認知度そしてGripRingsを購入してくれたファンがいるという背景は大きいでしょう。
・クラウドファンディングサイトが「ECサイト」に近づいている
→実は私も、先日EC感覚でKickstarterに投稿されたシンプルウォレット2.0(サイフ)を購入しました。到着後使ってみた感想はまたシェアしたいと思いますが、もはやクラウドファンディングで購入することは、ECサイトでモノを買うような気軽な感覚になりつつあります。
【参考】
Kickstarterで大人気の「シンプルウォレット2.0」から製品の「再定義」について考える
・良いものは良い
→消費社会末期に生きる私たち消費者の目は相当肥えています。良いもの、ちょっと良いもの、普通のもの、あまり良くないものを瞬間的に判断する力は恐るべきものです。「良いものは良い」「良いものは売れる」ということなのでしょう。
・ランディングページの良さ
→クラウドファンディングは、商品を売る際のランディングページを再発明したと言っても良いかもしれません。洗練された分かりやすい動画を上部に設置し、画像と明快なテキストで人々を惹き付ける。いわゆる楽天のランディングページとは違います。これからのECサイトのランディングページは、どんどんクラウドファンディングのランディングページに近づいていくでしょう。
以上となりますが、いかがですか。今後もクラウドファンディングサイトには要注目です。
【Social Design Newsから本が出ました】
ワーク・デザイン これからの働き方の設計図
働き方は無限大。
組織や事業の寿命よりも、人が働く時間のほうがはるかに長くなった現代。
テクノロジーの進化と人々の価値観の変化によって、「働き方」が大きく変わりつつある。
メイカーズ、クラウドソーシング、クラウドファンディング、ソーシャルスタートアップ……「仕事の未来」には、無限の可能性が広がっている。
あなたは、どの働き方を選びますか?
さらなる進化を遂げるテクノロジーと新たな時代の価値観が出会ったことで、
これまで考えられなかった(あり得なかった)ような働き方が可能となった。
今、私たちの目の前には、数限りない働き方が存在する。
私たちは、自らの働き方を自分で選び、実行していかなければならない。
それが、本書の言う「ワーク・デザイン」である。 ――「はじめに」より
※Amazonの「なか見検索!」で一部内容を読めるようになりました。