来年は、「人間のサーボーグ化」が大きなトピックとなります。その話題の中心には、やはり「Google Glass」の存在があることでしょう。
そして、ここに鮮やかに立ち上がってくる問いが「人間とは何か?」というものです。
Googleが、そんな時代へ向けて新たな一手を打ちました。それは、健康と人間の幸せをテーマにした新会社Calicoを設立するというもの。
CEOには、米Apple社会長・バイオベンチャー米Genentech社会長のArthur Levinson氏が就任します。老化や病気へのアプローチを行いますが、まず具体的な目標として、ガンの克服や平均寿命を100歳まで引き上げることをあげています。
Time誌も「CAN Google SOLVE DEATH?」(Googleは「死」を解決できるのか?)と題した特集を組んでいます。
Googleを先駆けに、これからあらゆる業界が「人間の再定義」、そして「死」へのアプローチを開始する時代へと突入していきます。
文明が新たなカタチで「死」と対峙する時
人間のあらゆる活動に隠れているものは、「死」という存在です。芸術にしても科学にしても、裏にはこの存在への挑戦があるわけです。一方、人間の「死」というものを「表立って」取り扱う業界は、医療業界、葬儀業界、宗教含め一部の業界でした。
宗教・哲学はそれを演繹的・大局的に、そして医療業界、葬儀業界は、それを帰納的・対処的に捉えていきました。
しかし、これからはあらゆる業界が、それぞれの手法で「死」に対して表立ったアプローチを開始していきます。
私たちはテクノロジーを突き詰めていった結果「人間とは何か?」という問いに、生活レベルでぶち当たり始めました。例えばスマホが、高度に普及した世の中で「記憶すること」をどう取り扱うか?というものを含めてです。
そして、21世紀に適した新たなヒューマニズムを確立したい文明は、その延長にある「死」という存在をあらゆる角度から意味付け、サポートします。ビジネスの世界からも数限りないアプローチが開始されるはずです。
例えば、生前ソーシャル・メディアで投稿されたライフログを使って、映像と画像まとめる自叙伝サービスのようなものから、ビッグデータと人工知能、そしてAR映像を使い「故人」と永遠に会話できてしまうサービスも含めてです。
私たちは、あらゆる意味でビビッドな時代を生きています。