記者が独立する時代へ。この話題は、日本においてもよく見かけるようになりましたが、次のようなサービスも登場してきました。
米国で始まったサービス「JustReachOut」は、プレス系、PR系の会社に頼らずに、記者と直接つながるためのプラットフォーム。中小企業やスタートアップ向けのサービスです。
利用方法は極めてシンプル。テーマやカテゴリー、社名などで検索をすると、その分野で記事を書いている記者がずらりと並びます。例えば、softbankと検索。
すると15名ほどの記者が出てきます。どのようなタイトルの記事をどの媒体に書いたのかも分かります。
自社の製品、サービス、活動などについて書いて欲しい場合、会社や媒体にアプローチをするのではなく、直接記者に連絡をする。こんな文化が日本においても広がっていくのでしょう。
メディアの本義と進化する役割
PHOTO: holding social media from Shutterstock
一昨年辺りから「メディア論」が話題を呼んでいます。それは、メディアにおけるこれまでのマネタイズ手法の限界値が見える中、その先の可能性と利益への道筋を探るものです。
私が考えるこれからのメディアは、やはりメディアという根本的価値とその理念、そこに新たなテクノロジーが加わることで見えてくると考えています。
結論から言うと、21世紀において、メディアは限りなく銀行のような存在に近くなっていく。
銀行の本義は、信用創造をすること。また会社、そして産業の創造に尽力することです。これまで注目されていなかったようなところにお金を貸し出し、新たな産業を育成・強化する。ここが銀行の理念であり、本質的価値であったわけです。
そういった意味では、メディアにおいてもその理念は非常に近い。会社や団体、人やテーマに焦点を当てることで、信用を創造し、注目や評価を社会のために投資するというイメージです。銀行のように直接的に貨幣を貸し出すわけではありませんが、その本質には限りなく近い背景が存在しています。
ヒントとなる事例を言えば、クラウドファンディングなどもまさに「メディア」であるわけです。21世紀の金融のインフラであると同時に、その側面的役割はまさにメディア。その特性がある故に、クラウドファンディングで資金調達をすると、「その商品をうちで扱わせてください」というような問い合わせが出てきたりします。
今後あらゆるメディアは、信用創造し、注目や評価を投資する21世紀の銀行のようなものへと進化する。そのヒントは、仮想通貨やクラウドファンディングなど、現在の新たな動きの中で、チラチラと見え隠れしています。