音楽を聴くスタイル、消費するスタイルの変化は激しいですが、これからは音楽を作るプロセスも大きく変わりそうです。
自分で作った音楽をmp3で聴いたり、CDに焼いて聴く際、なぜかミュージシャンが作った音よりも大きく劣っていると感じる…。それはマスタリングをしていないからです。音圧レベルやその質感を補正するマスタリングは、これまで熟練が必要な労働でした。
しかし、この度リリースされた「LANDR」は、高度なアルゴリズムによって、この熟練技術を自動化してしまうサービスです。使い方はシンプルそのもの。ファイルを選択しアップロードするだけ。どれぐらいスピーディーにマスタリングされるか、音が良くなるかは、以下の動画の4分20秒辺りから見ていただければ分かります。
用途に合わせて、無料プランから月額9ドル(約900円)、そして月額19ドル(約1,900円)と3つのプランが存在。音楽作りが変わる!と世界中は興味津々です。
そして、こちらはGoogle Glassのよる聴くスタイルの変化、また作曲の近未来です。耳にするあらゆる生活音を録音し、自身の作曲に活かす。この音楽業界の変化は、私たちのこれからのビジネスに大きなヒントを与えてくれます。
音楽業界の動きを深く見つめるべき理由
PHOTO: retro microphone from Shutterstock
音楽業界は、最初から「情報」そのものが価値であるが故に、ビジネスの最先端を進んでいます。ちなみに最先端とは、儲かるという意味ではなく、むしろ儲かりにくいというところに多分に結びついています。
音楽業界では今、SpotifyやAmazonなどの音楽ストリーミングサービスが拡大をしようとしています。懐かしき歴史をたどれば、レコードからCDへ、そして1曲1曲ダウンロードするスタイルから、Youtubeや音楽ストリーミングサービスにアクセスすることで、価値を消費するスタイルへと変化しました。
この「使用価値へとアクセスする」モデルは、今後あらゆる業界へ浸透していきます。
スマホから相乗り車へとアクセスし、タクシーの代わりに利用するといったモデルはもちろん、今後物理的なあらゆるものが情報化し、それを使用する瞬間に必要なデータにアクセス。近くの3Dプリンタ等で造形して利用する。そんなことも含めてです。
そして、今回ご紹介した音楽作りの進化は、「生産の未来」におけるヒントです。音楽のようなクリエイティブで繊細なものが、どのように生産されるようになるのか?
この延長には、あらゆる業界における生産の未来へのヒントが隠されているわけです。
その業界におけるLANDRのような役割を持つシステムとは何か?またウェアラブルデバイス、Google Glassによって、あまねく業界の生産スタイルはどう変化していくのか?
これらの問いの先に、生産の近未来が横たわっています。