企業や団体、個人が縦横無尽にコラボレーションをはかっていく時代に、コワーキングスペースの存在感が、増している。
自宅をオフィスとして解放する「Hoffice」を紹介した記事の反響は思った以上に大きかった。
秋田はコワスペほんとないので、これもありかも。 自宅をオフィスとして解放する!新たなコワーキングスペース スタイルが広がる http://t.co/F5q2aZ8SZr
— 後藤将弥/Masaya Gotou (@masaya_gotou) 2015, 2月 3
ここからも分かるように、世界的に今、コワーキングスペースの概念は、広がりを見せている。
さて、そんなコワーキングスペースの新たな拠点が横浜にリニューアルオープンする。横浜駅のすぐ目の前に高くそびえ立つ横浜三井ビルディングの15階に、今回ご紹介する横浜グローバルステーションは存在する。
公益資本主義を唱える原丈人氏が設立したデフタパートナーズが、開設していたコワーキングスペースに、この度クラウドソーシングサービス・ランサーズを卒業した山口豪志さんが、ジェネラルマネージャーとして参画。リニューアルオープンをするということで、そのビジョンを伺うために足を運ばせていただいた。
まず入り口を入った印象は、明るさと清潔感。
写真に映っているのは、コワーキングスペースだが、この左サイドには、仕切られたシェアオフィスも存在する。
山口さんは一児のパパ。子育て大好きのイクメンで、子供たちの世代がより幸福に暮らせる社会を作ることを真剣に考える良きお父さんでもある。
フロアからの眺めは本当に最高。このように横浜のウォーターフロントが一望できる。その眺望から夜景も素晴らしいだろうな、と頭をよぎる。
ちなみに、この隣にもう1室巨大なフロアがあり、そこからは富士山も望める。まさに、日本有数の眺めを誇るコワーキングスペースだ。
現在は、オンラインアシスタントサービスの「キャスター」や派遣型のスキャンサービス「スキャンマン」、またオフィスへの食品デリバリーの「スマイリー」などが入居している。
クラウドソーシングサービス世界最大手オーデスクが、「誰もがバーチャルアシスタントを持つようになる」と謳っているが、キャスターは、それに特化した日本のサービスである。
オーデスクは、「オンラインアシスタントは、2014年に5,000万ドルも稼ぐようになったが、2015年は、更に50%増となる。最も急速に拡大しているクラウドソーシングカテゴリー」とも評しており、日本においても益々華やかになる分野だろう。
【参考】
・2015年の働き方予測。バーチャルがリアルを追い越す時
キャスターを利用する山口さんに、その使用感の本音を尋ねてみたところ、「秘書的な業務はもちろん、営業のアシスタントから総務、管理など嫌なことを任せられ、大変重宝している」とのこと。ちなみに、山口さんをフォローするアシスタントは、3人の日替わりでリレー。使えば使うほど、この3人が自分のことをよく知ってくれるようになり、コミュニケーションコストが低下。時間とともに利用がなじんでいく心地よさを語ってくれた。
また、スキャンマンは、オフィスの紙の文書をスキャンし、カテゴライズし、デジタル保存をしてくれる代行サービス。なんと日本の会社は、1年に2割もが引っ越しをするという。その引っ越しの度に、紙で溢れているオフィスをデジタル整理したいという要望があり、その需要に対応をする。強みは、現場で会社の支持を直接受けながら、その場でデジタル整理をしてくれるところだ。
また、スマイリーは、京都のWEB製作会社アイビックが立ち上げた、健康的な冷凍食品をオフィスにデリバリーするサービス。なぜ、WEB製作会社が…?と思われるかもしれないが、その経緯は、社員が続々と健康を害していく社内状況にあったという。その原因を探ってみたところ、日常の食生活が、コンビニ弁当や外食ばかりであり、それが起因して体調不調を起こす社員が多いことが分かったという。それが、このデリバリー事業のキッカケとなった。
管理栄養士が監修し、保存料着色料は無使用。和食を中心とした美味しく健康的な冷凍食品をオフィスにデリバリーする。京都のアイビックが親会社となっているこのスマイリーだが、関東の営業拠点として、この横浜グローバルステーションを利用している。
これまで、コワーキングスペースと言えば、個人やネット系の一部のスタートアップが利用するというイメージが強かった。しかし、これからは変わる。
例えば、”営業支店にコワーキングスペースを”という選択肢が生まれるのだ。
横浜グローバルステーションは、スタートアップだけでなく、地方の企業が、横浜、東京に進出する際の支店としても利用してもらいたいと山口さんは言う。もちろん、その名の通りグローバル展開を支援してくれるところもこのコワーキングスペースの特徴である。
現代において、コワーキングスペースは、もはや地域のビジネスのハブ的な機能を持っており、そのエリアでの新たな出会いを加速させる機能を持つ。横浜グローバルステーションもその例に漏れず、特に各業界の大企業と深い関係を築いているデフタパートナーズのネットワークを利用できる点が特徴だ。
また、今後は自治体との連携も積極的に行っていくという。ちなみに、横浜市は、事業所の移転支援に力を入れており、補助金もふんだんに利用できる状況。また、各大手メディアの支店が横浜に集中して存在していることが、事業にとって優位な環境だと山口さんは強調する。事業にとってのメディア戦略は、今やかかせないものだからだ。
地方から東京や横浜進出する際の支店という話が出たので、私が、コワーキングスペースの中で電話営業をしていくことも可能ですか?と尋ねたところ、「もちろんです」と山口さんから回答をいただいた。
横浜グローバルステーションは、現在、クラウドファンディングサイトMAKUAKEにて、プロジェクトを実施中だ。興味がある人は、こちらをご覧いただきたい。
コワーキングスペースの概念はより拡張し、21世紀になくてはならない場へと進化をする。