今、私たちは無意識のうちに新たな神話を求めている。
これまで信じてきた神話の力は余りにも弱まりすぎてしまった。例えば、「働く」におけるこれまでの神話とは?それは、終身雇用である。ここにおける神話は、過去の空想的なストーリーという意味ではなく、今起こっていることをイキイキと描いた信じるに足るストーリーのこと。
働く神話は、終身雇用からパラレルキャリアへと今、移行しようとしている。
通常のワーカーのうち76%もの人が、パラレルキャリアを望んでいるという結果が分かった。
「働き方の『柔軟性』は新たな『安定性』」という記事でも記したが、どの事業も、3年先、5年先が見えない時代を私たちは生きている。そのような社会において、安定とは一体何なのか?それは、柔軟性それ自体なのだ。
引用元: 日本の働き方が変わった!「新しい働き方」に関する5つの実態【2015年保存版】 | Social Design News.
私たちが今、仕事において問われていることは、「新たな神話を作れるのか?」という点だ。既存の商品にしてもサービスにしても、これから作り上げようとしているものにしても、そこに、21世紀の神話が宿っているのかどうかが重要な問いとなる。
夏目漱石は、小説を書く際の課題を「意識の焦点と感情の流れ」に置いたが、神話作りにもそれは必須だ。ここにおける意識の焦点とは、新しい意味の生成、つまり、Sense Makingであり、そこからの感情の流れを緻密にサポートしたものでなければ、ただのストーリーにはなり得ても、神話にはならない。
潜在的な叫びを顕在化し、心象を言語化、商品化する。感情と言っても、それは伝えたい人の感情であると同時に、時代の感情でもなければならない。各層の感情の流れを緻密に察知し、スムーズに方向付けることが必要だ。神話作りとはそういうことなのだろうと思う。
事業開発、商品開発、PR、マーケティング、採用及び人材育成…あらゆる仕事の背景に、21世紀の神話がなければならないのが、今の状況だと思っている。
【クエスチョン】
・今自分たちがやっている仕事の背景には、21世紀の神話が宿っているか?考えてみよう!