昨年、ご紹介した男性用ボクサーパンツが無料で届くサービス・フリパン。なぜ無料かといいうと、「広告」が入っているからです。
今回初めて届きましたので、ご紹介。
まず、中を開くと次のような「お願い」が入っていました。「会員様の、ソーシャル・メディア等で拡散(口コミ)により、我々運営側もより多くの広告出稿企業を獲得しやすくなり、会員様へフリパン発送という形で還元しやすくなって参ります」とあります。拡散しました!(笑)
さて、ボクサーパンツの中身はこれ。法人営業の新規開拓アウトソーシング会社・株式会社エグゼクティブの広告が。
もう1つは、iPhoneを高値即金で買い取ってくれる買取将軍の広告もありました。
前から見ると、こんな感じ。
後ろは無地です。
品質表示は、こちら。サイズはフリーで、綿95%。
気になる履き心地はというと…良いです!とても快適でした(笑)
また、参加店舗で必ずもらえるフリパンサービスなんかも始まっているようですね。
こちらは、パンツだけでなく、Tシャツや、靴下など、いろいろな衣類で応用が効きそうなモデルですので、これからも注目です。
既存の経済圏では、爆弾。奉仕経済圏では、貧困の撲滅
photo credit: Stuck in Customs via photopin cc
このようなモノのフリーというモデルは、単純な弱肉強食の既存の経済圏、においては、1つのマーケティングツールであり、一種の爆弾です。
テクノロジーの発達、事業モデルの進化により、広告費程度で衣料品が作れるようになる。結果、今のポケットティッシュのように衣料がどんどん無料で配られるようになれば、現在の衣料業界に少なくない影響を与えるでしょう。
しかし、一方、奉仕経済という文脈においては、このモノのフリーは、貧困の撲滅であり、創造性の獲得につながります。
人類の最低限の衣食住無料化という流れが少しずつ生まれて、貧困が撲滅されていく。結果人々の働き方はより貢献的かつクリエィティブになっていくことでしょう。
しかし、この”奉仕経済”というのが、今のところ一朝一夕ではいきません。結局は”人間存在”の議論、”人間の進化”の議論にもつながっていくからです。
生物学者の長沼毅氏が、人類は、ホモ・サピエンスからホモ・パックスへと進化をしていかなければならないと主張しています。パックスとは「平和」という意味で、このホモ・パックスを生物学的に言えば「協調的遺伝子群に、突然変異が生じ利他種的な行動に快感を覚えるように、神経伝達物質や神経細胞ネットワークを進化させた人」(書籍「生命には意味がある」)のことです。
私はこの”突然変異”の部分を”強化”とも捉えれるのでは?と思っています。
どんなに悪い泥棒でも、川で子供が溺れていれば、人としてその子を助けようという心が働きます。どんな人間にも利他的な心は備わっている。でも、その心がおきたりおきなかったり、弱かったり強かったりと、まだ強化されていないだけだと私は思っています。
現在のNPOやソーシャル・ビジネスの発展、各地で生まれている様々なコミュニティーは、まさにこの利他的な行動を司る神経ネットワークを、人類全体が強化している潮流だと思うわけです。
動物の世界と同じ弱肉強食の、食うか食われるか?(大成功者か?貧困か?)という経済において、リアルのモノのフリー化というは脅威です。業界をも混乱させるある種の時限爆弾です。
しかし、奉仕経済という文脈でみれば、それはあらゆる社会的問題を支援でき、よりクリエィティブな働き方ができる土壌を整えることになります。ちなみに、競争を否定するわけではありません。競争は、なんのために競うのか?で、結局その競争も、良いことにも悪いことにもなるからです。
以上になりますが、フリーのモデルは、これからも注目したいトピックです。