地域のデザイナー、略して「地デザイナー」をご存知ですか?
地元に根付いて、地域の特産品等のデザイン、ポスター作りなどを行うデザイナーのこと。サコダデザインの迫田司さんは、「1町1デ」(1つの町に1人の地域デザイナー)を旗じるしに、全国で地デザイナーを育て、ネットワークする活動を進めています、
迫田さんは、20年前、四万十市の西土佐地域に移住し、自分の田畑を耕しながら近所から頼まれた農産物のパッケージなどのデザインを始めました。
最初のデザイン料は、ほとんどが米や野菜、卵などの現物支給。最初の10年はデザインでは食べて行けなかったそうです。私もよく分かりますが、地域に「デザインの価値」を普及することは、相当大変なことです。
しかし、地元にしっかりと根付き、努力と忍耐のかいあって地域に認められるデザイナーになられました。
2004年には、四万十川流域でつくられた「山間米」で米袋初のグッドデザイン賞を受賞。それがこちらのデザイン。う〜ん、いい感じ。
http://colocal.jp/topics/lifestyle/people/20120831_10262.html
四国の様々な特産品も手がけています。
クラウドソーシングはどのようなカタチでも広がっていくとは思いますが、一方で、地域に根ざしたデザイナーの価値も同様に高まっていくのが、これからの時代だと思っています。
地域を世界に発信する地デザイナーが増えることに期待
パラレルキャリアで地デザイナーになる、というのも面白いでしょう。
例えば、次のような方々には相性が良いと思います。
・地域の写真館
・Webデザイナー
・ショッピングサイト運営者
・若手の農業従事者
・Iターン、Uターン希望者
例えば、「道の駅」での話。私は車で地方を動く時にはよく寄ります。お土産だけではなく、食材も新鮮なので美味しい食事が食べられます。
そして今の道の駅は、地域の農家や加工業者の優良な卸先にもなっています。しかし、当然これらの商品にデザインはほとんどないというのが現状です。
個人や零細事業者は、「量を出荷することはできないから、そもそもデザインはいらない」というのが本音であることが多いでしょう。しかし、中にはこれから積極的に商品を作って販売していきたいと思っている方もいます。
そのような方々は、良い食材や加工食品を作るというところに目がいっても「デザイン」というところまでは中々目がいきません。しかし、どんな商品もデザインも含めて「ブランド」として認知されていくわけです。
「よいのコンテンツは、地域にある」ということが認知される時代、それを世界に発信していく役割を持つのが地デザイナーなのかもしれません。
【Social Design Newsから本が出ました】
ワーク・デザイン これからの働き方の設計図
働き方は無限大。
組織や事業の寿命よりも、人が働く時間のほうがはるかに長くなった現代。
テクノロジーの進化と人々の価値観の変化によって、「働き方」が大きく変わりつつある。
メイカーズ、クラウドソーシング、クラウドファンディング、ソーシャルスタートアップ……「仕事の未来」には、無限の可能性が広がっている。
あなたは、どの働き方を選びますか?
さらなる進化を遂げるテクノロジーと新たな時代の価値観が出会ったことで、
これまで考えられなかった(あり得なかった)ような働き方が可能となった。
今、私たちの目の前には、数限りない働き方が存在する。
私たちは、自らの働き方を自分で選び、実行していかなければならない。
それが、本書の言う「ワーク・デザイン」である。 ――「はじめに」より
※Amazonの「なか見検索!」で一部内容を読めるようになりました。