やっと来ましたね、と言った感じ。クラウドファンディングのオープンソースプラットフォーム「Crowdhoster」。
いわゆる無料でブログやWEBサイトが作れるWordPressのクラウドファンディングバージョンです。ただ1点、どこが提供し始めたのか?というところだけ気になりましたが、Crowdtiltだったので安心。
Crowdtiltは、ナップスター創業者・映画ソーシャル・ネットワークで有名になったショーンパーカーやGoogleやSkypeに投資していた投資家・アンドリーセン·ホロウィッツが投資しているサービス。友人同士で気軽にクラウドファンディングプロジェクトを投稿できます。
【参考】
・友人知人同士で気軽にクラウドファンディングへプロジェクト投稿できるCrowdtilt(クラウドティルト)
つまり、このCrowdtiltのシステムを解放するカタチでCrowdhosterを展開してきたということです。
Crowdhosterは、いちいちコードの行に触れることなく、誰もが自身のクラウドファンディングプロジェクトを立ち上げることができます。
投稿されているプロジェクトを見てみましたが、デザインもシンプルでクール。いい感じです。
通常、クラウドファンディングプラットフォームにプロジェクトを投稿し資金調達に成功すると、プラットフォーム側に20%前後の手数料を支払うことになります。200万円調達すれば40万円の手数料、決して小さくない金額です。しかしCrowdhosterを使うと、この手数料がなくなるというメリットがあります。
一方で、デメリットもあります。いくらクラウドファンディングプロジェクトを立ち上げても、支援をくれるような人達にアピールできなければ、当然お金は集まらないわけです。認知度が低かったり、アクセスを流せる何かしらの仕組みを持っていなければ、プロジェクトが成功しにくいというデメリットもあります。
しかし、ECサイトで考えてみれば分かりやすいですが、現在のKickstarterやReady for、CAMPFIREなどのクラウドファンディングプラットフォームは、ECモールです。今で言えば、Amazonや楽天の立ち位置。
そして、Crowdhosterで作ったクラウドファンディングプロジェクトは、要は、自社の独自ECサイトということです。どれか1つという考え方で行く場合もありますが、それぞれにクラウドファンディングプロジェクトを投稿するという展開もあるわけです。
地域のメイカーにとっての「道の駅」は…?
今やどこに行っても目にする「道の駅」は、国土交通省によって登録された、休憩所と地域振興が目的とされた施設。こちらには、農家の直売所も入っていて、多くの小規模農家さんの野菜の卸先となっています。つまり、地域の農家さんの支援に一役買っているわけです。
では、今後地域にメイカーが増えていく中、どのような考え方でメイカーを支援していけば良いのか?
地域にコワーキングスペースが生まれて、デジタルファブリケーションについて学んだり、工具貸し出していくということはもちろんありますが、もう1つは出口の問題です。
つまり、メイカーが作った商品をどのように販売するか?という課題が残ります。当然、今ある道の駅にも卸すのですが、それだけでは足りません。なぜなら、メイカーが販売する商品の多くは、ニッチな商品となるので、道の駅に訪れるような一般の多くの人に対してマスマーケティングをかけてもなかなか売れないというわけです。
野菜やお米は、日用品であり誰でもが買う商品ですので、マスマーケティングは有効です。でも、これから生まれるメイカーが作るような商品は、そうではないことが多い。つまり、一部の人達に熱狂的に支持されるような商品であることが多いのです。
であれば、どうするかというと、下記の図のように地域単位で、メイカーの製品を日本中、世界中に販売及びPRするクラウドファンディングサイトを持つことが考えられるでしょう。
例えば、今回ご紹介したCrowdhosterなどの仕組みを取り入れて、自治体のWEBサイトと連携させるカタチで、クラウドファンディングサイトを立ち上げるわけです。
また、その延長で、KickstarterやEtsyやへの製品投稿の支援も行います。この方法は、都道府県などの自治体が主催するというパターンも大いにありなのですが、それが現実難しいようであれば、地域のWEB製作会社やマーケティング支援会社が、これを主催し、自治体からの補助金を含め応援をもらうという方法はあるでしょう。
メイカーにとっての道の駅は、こうしたクラウドファンディングサイトなのです。今後、具体的な事例が多数出てくると思っています。
【Social Design Newsから本が出ました】
ワーク・デザイン これからの働き方の設計図
働き方は無限大。
組織や事業の寿命よりも、人が働く時間のほうがはるかに長くなった現代。
テクノロジーの進化と人々の価値観の変化によって、「働き方」が大きく変わりつつある。
メイカーズ、クラウドソーシング、クラウドファンディング、ソーシャルスタートアップ……「仕事の未来」には、無限の可能性が広がっている。
あなたは、どの働き方を選びますか?
さらなる進化を遂げるテクノロジーと新たな時代の価値観が出会ったことで、
これまで考えられなかった(あり得なかった)ような働き方が可能となった。
今、私たちの目の前には、数限りない働き方が存在する。
私たちは、自らの働き方を自分で選び、実行していかなければならない。
それが、本書の言う「ワーク・デザイン」である。 ――「はじめに」より
本書では、これからの働き方の新構造を次の7つのステージで捉えた内容となっています。
・新しい「働く」の価値観
・消費社会から生産社会への潮流
・ワークプロセスの文明的大転換
・組織形態の変化
・キャリアデザインについて
・タスクデザインについて
・これから必要とされる個別スキル
現在の「働く構造の進化」は、各ステージをバラバラに見ても分かりません。7つの構造全体を体系的に捉えることで、始めて進化の本質が見えてきます。
Amazonの「なか見検索!」で一部内容を読めるようになっていますので、ご興味のある方はこちらからご確認ください。【書籍】ワーク・デザイン これからの働き方の設計図
※ライフハッカー[日本版]で本書を大きく取り上げていただきました。
「いま、新しい働き方『パラレルキャリア』が重要だ、と言える理由」