次世代産業の中核は「パーソナルファブリケーション」。そして、マーケティング上最も重要な要素は、「ブランディング」と「コミュニティー構築」となる。この流れは明確になってきました。
今回ご紹介したいのは、ハンドメイド製品のショッピングモールEtsy内のショップ「oanabefort」が行っているラッピングアイデア。
なんと、ジャガイモでスタンプを作って…
それを押して包装紙をデザインしているのです!なんとオシャレな!
届くギフトラップにもストーリーができますね。
ストーリーを知って、このようなラッピングの商品が届いたら…お店のファンになってしまいそう。素晴らしいの一言です。
価値を発明せよ
photo credit: Werner Kunz via photopin cc
このような話題になると、「ああ、ストーリーテリングの話ね」と捉えられがちです。
しかし、これは「芋のスタンプを押した単純な包装紙」ではないわけです。そこに発明にも似た「お客様にとっての価値の発見」があります。マーケティングと称して、世の中には自己満足的なストーリーは山ほど存在しています。
最近の身近な話題を例にしてみますが、低迷するフジテレビは、往年の人気ドラマなどを復活させることで、視聴率の上昇を目指しました。しかし、半沢直樹などのドラマの足もとにも及ばず、今年も停滞を続けています。
そこで、亀山社長が言った言葉は「ヒットする番組には発明がある」というものでした。
まさに現在は、価値発見、価値発明のプロセスこそが大切なのです。更に言えば、それは「意味の生成」にもつながります。意味を生成するプロセスは、ビッグデータにおける統計データからは抜き出せません。
もし、ビッグデータからヒット番組を導き出そうと思えば、往年のドラマを復活させよう!という思考は生まれてくるでしょうが、半沢直樹は無理でしょう。そして、この意味生成、価値の発明プロセスこそ、ロボットにはなかなか難しい、人間独自の素質なのです。
私は、このラッピングに価値の発見、発明を見ました。しかも、お金をほとんどかけないで。
価値を発明、意味の生成は、これからの人間の重要な仕事の1つです。
【Social Design Newsから本が出ました】
働き方は無限大。
組織や事業の寿命よりも、人が働く時間のほうがはるかに長くなった現代。
テクノロジーの進化と人々の価値観の変化によって、「働き方」が大きく変わりつつある。
メイカーズ、クラウドソーシング、クラウドファンディング、ソーシャルスタートアップ……「仕事の未来」には、無限の可能性が広がっている。
あなたは、どの働き方を選びますか?
さらなる進化を遂げるテクノロジーと新たな時代の価値観が出会ったことで、
これまで考えられなかった(あり得なかった)ような働き方が可能となった。
今、私たちの目の前には、数限りない働き方が存在する。
私たちは、自らの働き方を自分で選び、実行していかなければならない。
それが、本書の言う「ワーク・デザイン」である。 ――「はじめに」より
本書では、これからの働き方の新構造を次の7つのステージで捉えた内容となっています。
・新しい「働く」の価値観
・消費社会から生産社会への潮流
・ワークプロセスの文明的大転換
・組織形態の変化
・キャリアデザインについて
・タスクデザインについて
・これから必要とされる個別スキル
現在の「働く構造の進化」は、各ステージをバラバラに見ても分かりません。7つの構造全体を体系的に捉えることで、始めて進化の本質が見えてきます。
Amazonの「なか見検索!」で一部内容を読めるようになっていますので、ご興味のある方はこちらからご確認ください。【書籍】ワーク・デザイン これからの働き方の設計図
※ライフハッカー[日本版]で本書を大きく取り上げていただきました。
「いま、新しい働き方『パラレルキャリア』が重要だ、と言える理由」