来ましたよ、ついに来ました。以前、ランサーズの渋谷本社で話を伺った時、最もワクワクしたトピックの1つがこの「ランサーズ マイチーム」の話しでした。
一言で言えば「オンライン上でチームを作って仕事をする仕組み」です。
クラウドソーシングのデメリットとして言われてきたことは、「仕事を受ける側が安く買い叩かれてしまう」ということでした。つまり、クラウドソーシングとは、発注者側のサービスであるということを言われてしまうのです。
しかし、今回のサービスのポイントは、仕事を請ける「個人」を「チーム」にすることでエンパワーメントすることにあります。
具体的には、チームを作ることで、これまで個人では受けられなかったような大きな仕事を受けられるようになります。巨大なWEBサイトの構築の案件があっても、一人では受けられないということも多くあるわけです。
例えば、自分はプログラミングができるとすれば、デザインやライティング等ができる人、またプログラミングをサポートしてもらえる人とチームを作って、そのチームでもって、高額案件を受注するということができるわけですね。
この流れが進めば、大企業及び中堅企業が出す数百万円から数千万円ほどの仕事も、クラウドソーシング上の案件として数多く出てくることになるでしょう。
まさに、これまで「企業」が受けていた大きな仕事を、「チーム」(個人)が請負うようになる流れが加速するのです。うまくチームを構築することができれば、クラウドソーシングに参加する個人の収入は間違いなく大きくなるでしょう。
このサービスの話を聞いて、企業は冷や汗をかいているかもしれませんが、「チーム・個人」にパワーシフトする時代の流れは止められません。
これからの主要スキルはバーチャルコラボレーション
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これからの数年で、仕事のやり方、ワークプロセスは劇的に変わります。その中で必要となってくるのが、オンライン上でコラボレーションをし、仕事を進めていく能力です。
ランサーズ マイチームの仕組みが更に広がっていけば、マイチームのメンバーで新規事業を立ち上げよう!という動きも当然出てくることでしょう。
その中で、ランサーズがクラウドファンディング事業にも進出するようになったとすれば、「仕事の受発注プラットフォーム」というクラウドソーシング事業の領域を超えて、「事業構築のトータルパッケージを提供するサービス」へと進化するでしょう。
クラウドファンディング大手「Indiegogo」がクラウドソーシングに進出するという話も出てきていますし、これは単なる予測ではなく「既に起こった未来」であって、今回のランサーズ マイチームのリリースからもそれを確信するわけです。
【参考】
・クラウドファンディング大手「Indiegogo」がクラウドソーシングに進出か!?
一方、バーチャル・コラボレーションと一言で言っても、実際には細かな問題が多数存在しています。
「どのような人とチームを組めば良いのか?」、「報酬の分け方はどうすれば一番よいのか?」、「継続的に良い関係を築くために、リアルで会うことは必要か?」などなどです。これらは全てバーチャル・コラボレーション上の大切な知識・スキルとして、これからの重要項目となっていくでしょう。
今、インターネットを使わなければ仕事ができないように、これからはバーチャルコラボレーションスキルがなければ仕事ができないという時代になるのです。
いよいよ、誰もが無視できない巨大な潮流が現実となってきました。
【Social Design Newsから本が出ました】
働き方は無限大。
組織や事業の寿命よりも、人が働く時間のほうがはるかに長くなった現代。
テクノロジーの進化と人々の価値観の変化によって、「働き方」が大きく変わりつつある。
メイカーズ、クラウドソーシング、クラウドファンディング、ソーシャルスタートアップ……「仕事の未来」には、無限の可能性が広がっている。
あなたは、どの働き方を選びますか?
さらなる進化を遂げるテクノロジーと新たな時代の価値観が出会ったことで、
これまで考えられなかった(あり得なかった)ような働き方が可能となった。
今、私たちの目の前には、数限りない働き方が存在する。
私たちは、自らの働き方を自分で選び、実行していかなければならない。
それが、本書の言う「ワーク・デザイン」である。 ――「はじめに」より
本書では、これからの働き方の新構造を次の7つのステージで捉えた内容となっています。
・新しい「働く」の価値観
・消費社会から生産社会への潮流
・ワークプロセスの文明的大転換
・組織形態の変化
・キャリアデザインについて
・タスクデザインについて
・これから必要とされる個別スキル
現在の「働く構造の進化」は、各ステージをバラバラに見ても分かりません。7つの構造全体を体系的に捉えることで、始めて進化の本質が見えてきます。
Amazonの「なか見検索!」で一部内容を読めるようになっていますので、ご興味のある方はこちらからご確認ください。【書籍】ワーク・デザイン これからの働き方の設計図
※ライフハッカー[日本版]で本書を大きく取り上げていただきました。
「いま、新しい働き方『パラレルキャリア』が重要だ、と言える理由」