「新しい製造メーカーのあり方」が問われてきています。
こちらは、家具デザイナーの人たちにデザインしてもらった木製家具を、3Dプリンタなどを利用し、製作・販売するスタートアップ「4 AXYZ」。
詳細についてはまだ明らかにされていない部分も多いのですが、注文を受けたカスタムメイド家具を、世界中にスピーディーに配達し、家具デザイナーにもしっかりロイヤリティーが支払われる仕組みの模様。
産業革命以降、家具の製造プロセスはあまり変化のないということで、ここに新たな風穴を空けていきたいとのこと。
これは、単純に次世代型の「家具メーカー」の登場というよりも、新しい「製造メーカー」の1つの参考例と言って良さそうです。
サプライチェーンの再設計
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この事業モデルは、クラウドにプロダクトデザインを任せ、製造には3Dプリンタを使うことで、資材調達から顧客への供給オペレーションまでの「サプライチェーン」を進化させようとしてます。
具体的に言えば、サプライヤー→設計→製造→物流→販売→顧客という流れを、これまでとは全く違う形に再構築していくということ。
また、一般の3Dの造形屋さんと違うのは、3Dプリンタにおける造形だけでなく、家具に関する様々な製造を行う「専門メーカー」のような体裁を整えようとしているところ。
プロダクトデザインにおいてはクラウドソーシングを利用し、製造には3Dプリントを取り入れながら、自社製品を販売していくという新しい製造メーカーのスタイルです。
これからの製造メーカーは、製造においてデジタルファブリケーションや3Dプリンタをどのように利用するか、またクラウド(群衆)を自社の一部としてどのように考えていけるかというところが重要になっていきます。
ただこれは、単純に「やり方を変える」「方法を変える」という話ではなく、「事業のあり方」「会社のあり方」すらも考えなおしていかなければならないという点において、 難儀です。
…が、ここができる製造メーカーこそが、次の時代を 引っ張っていくのでしょう。
【Social Design Newsから本が出ました】
働き方は無限大。
組織や事業の寿命よりも、人が働く時間のほうがはるかに長くなった現代。
テクノロジーの進化と人々の価値観の変化によって、「働き方」が大きく変わりつつある。
メイカーズ、クラウドソーシング、クラウドファンディング、ソーシャルスタートアップ……「仕事の未来」には、無限の可能性が広がっている。
あなたは、どの働き方を選びますか?
さらなる進化を遂げるテクノロジーと新たな時代の価値観が出会ったことで、
これまで考えられなかった(あり得なかった)ような働き方が可能となった。
今、私たちの目の前には、数限りない働き方が存在する。
私たちは、自らの働き方を自分で選び、実行していかなければならない。
それが、本書の言う「ワーク・デザイン」である。 ――「はじめに」より
本書では、これからの働き方の新構造を次の7つのステージで捉えた内容となっています。
・新しい「働く」の価値観
・消費社会から生産社会への潮流
・ワークプロセスの文明的大転換
・組織形態の変化
・キャリアデザインについて
・タスクデザインについて
・これから必要とされる個別スキル
現在の「働く構造の進化」は、各ステージをバラバラに見ても分かりません。7つの構造全体を体系的に捉えることで、始めて進化の本質が見えてきます。
Amazonの「なか見検索!」で一部内容を読めるようになっていますので、ご興味のある方はこちらからご確認ください。【書籍】ワーク・デザイン これからの働き方の設計図
※ライフハッカー[日本版]で本書を大きく取り上げていただきました。
「いま、新しい働き方『パラレルキャリア』が重要だ、と言える理由」