ブルームバーグの調査によると、10個の事業が立ち上がった場合8つの事業は、最初の18カ月以内(1年半以内)に失敗するそう。それは実感値として分かりますね。
今回ご紹介するのは、起業のためのオープンコラボレーションプラットフォーム「Babele」。
自分やチームのビジネスプランを構築していくためのオンラインツールです。具体的には、自分たちの事業を登録し、そこにコメントや提案をもらっいながらビジネスモデルを練り上げていく仕組みとなっています。
事業の初期段階において、クラウドクリエイティビティー(群衆の創造力)を投入していくということですが、結果、ビジネス開始時には、小さなオンラインコミュニティーが出来あがっているところもメリットとしています。
どんな事業が登録されているかというと、例えば冷蔵庫の中身を管理できるアプリなんてのもあります。消費期限の警告や、スーパーからの商品購入もアプリでできるという仕組みです。
また、こちらの「ベルリンのシャトル」は、レンタカー×相乗りを実現する新しいモビリティサービスです。 電車やバス並の低料金で、クルマを利用する新しいライフスタイルを提案していきたいとのこと。
今後Babeleは、初期段階だけでなく、事業のライフサイクル全体をサポートするサービスに進化していきたいとのことです。クラウドファンディングなんかも導入していくのでしょう。
また、2016年には大学やコワーキングスペース、また投資家などとも連携を強化していくとのこと。各地でリアルなビジネスワークショップも展開しているようですが、どれだけのサポーターを巻き込んでいけるかが今後の課題でしょう。
我コラボレーションする、故に我有り
Google Glassを始めとするウェアラブルデバイスは、IT環境に根本的なパラダイムシフトを起こします。それは、”生活とのシームレスな統合”であり、シームレスな遠隔コミュニケーション及びコラボレーションを生み出すことです。
私たちは、スマホを持っているとは言え、写真を撮る時にはある程度の工程を要します。スマホをポケットから取り出し、ロックを解除。カメラアプリを立ち上げ、指で焦点を合わせて、ハイ、チーズと撮影をします。そして、場合によっては、写真を加工し、どのソーシャルメディアにアップするか選択、そして投稿するという流れになっています。
しかし、Google Glassのようなウェアラブルデバイスは、この過程のほとんどを省きます。ロックを解除する必要もなければ、カメラアプリを手動で立ち上げ、手で掲げる必要もありません。日常生活するの中で、生きるように写真を残していくことができるようになって、呼吸をするように、ソーシャルメディアにそれを投稿することができるようになります。
この革命は想像以上に大きなものです。ITに関して、懐疑的な人達でさえも生活の中にコンピューターが深く根付いたと認めざるおえない便利さを生み出すことでしょう。
そして、人類は「我思う、故に我有り」ではなく、「我コラボレーションする、故に我有り」というアイディンティを持ち始めます。
私たち人間は1人では生きていけません。あたかも体内の1つの細胞のようにそれぞれの人が相互連携する中で、生きている。それが社会の現実です。
しかし、私たちは「無縁社会」と呼ばれるほどに、この数十年間つながりを少なく、薄くしてきました。一人暮らしの世帯は増え続け、孤独と不安に苛まれゆく人々の苦しみを、誰も無視して生きることなどできないほどに、それは蔓延しています。
また、人間は人間の中に入ってこそ磨き磨かれていく。ただ1人で山の中で滝に打たれ、座禅を組んでいればいいというわけではありません。
直接会って話すことの重要さ、ソーシャルメディアを通じてコミュニケーションを取ることの楽しさ、コラボレーションをして、社会により良い価値を提供することの喜び。
今後は、これまでの”コミュニケーション能力”という概念よりも、もっと広義かつ本質的なところにまで、このコミュニケーションの概念は広がっていきます。
コミュニケーション能力って大切だよね、というレベルの話ではなく、「我コラボレーションする、故に我有り」というくらい自身の存在意義と直結する時代へと移行していきます。