さてさて始まりましたよ、この流れが。
こちらは糸からニットの衣類を作りだすことができるオープンソースハードウェア「OpenKnit」。
3Dプリンタで作られた部品やアルミの押出パーツ、モーター、センサー、多数の編み針などによって構成されています。こんな感じでびよ〜んと編まれていきます。
完成はこちら。うん、素晴らしい。ちなみに、これくらいのセーターなら約1時間程度で編めてしまうとのこと。オープンソースということもあり、部品や組み立てマニュアルはこちらからすぐにダウンロードできます。ちなみにかかる費用は約550ユーロ(77,000円)程度らしいです。安い…。
また、編機と連携されるKniticというオープンソースソフトウェアを使って自分で衣服をデザインしていきます。
マフラーなんかもこんな感じで編まれていきます。
出来上がり。
ソフトウェアの操作イメージや編まれていく動きについては、こちらからご確認ください。
Made In the Neighbourhood (ft. a clothing printer, OpenKnit) from Gerard Rubio on Vimeo.
ファッション業界の21世紀型ビジネスモデル
OpenKnitは、データ共有サイト「do KNit yourself」も作っていて、無料でダウンロードすることが可能になっています。
私は、最終製品の流通コストを極限的にゼロに近づけていけるモデルが、ユニクロやZARAなどのファストファッションムーブメント以来、新しく支持されていく事業モデルだと思っています。
どういうことかと言えば、ユニクロは衣類を安く作れる大規模工場で作り、それを大きな流通コストをかけて、高く売れる国の店舗へ運んで販売するというモデルです。大きな流通コストに依存した事業モデルであるわけです。
しかし、OpenKnitの事例からも分かりますが、今後高性能な衣類の3Dプリンタが登場してきたらどうなるのか。当然原料の調達には流通コストはかかりますが、最終製品に対して大きな流通コストをかけ広く配送する必要はありません。
自分の好きなデザインの衣料をダウンロードし、自宅もしくは、近くにある衣類の3Dプリンタや編み機で作ってしまうという未来です。つまり、衣類におけるデータ共有のオープンプラットフォームを作り、それを盛り上げていけたところは、現在のファッションマーケットに大きな影響を及ぼしていく可能性があります。
ポスト近代社会の新しいインフラが着々と構築される中で、各業界における21世紀型の新しい事業モデルも徐々に見え始めています。