21世紀、あるべき保険のカタチとは何か?今それが、根本的なところから問われようとしています。
一つ目のコンセプトがP to P、つまり個人同士を直接つなげ中間業者をなくすモデルの登場です。以前は、英国発のjFloatをご紹介しました。
この「jFloat」の保険モデルは、基本ライフスタイルの近い人や気の合う人達がそれぞれ100人ほどのグループに分けられて、共済のような仕組みでお金を集めます。更に、80%はグループのプール資金として積み上げられていき、残りの20%は保険会社と同じように再保険という形で保険をかけるのです。
つまり、共済のデメリットであったプール資金のショートによる保険金の不払いもなく、営業コストや管理コストも極限的に安いためそのコストがこちらに降り掛かってくることもない。
引用元: 21世紀型保険モデルを目指して。英国発の保険のスタートアップ「jFloat」 | Social Design News【ソーシャル・デザイン 公式サイト】.
そして今回ご紹介する「Guevara」も、個人間でグループを作って自動車保険の費用を大幅に削減することのできる英国発のサービス。
通常、私たちが保険会社に保険を掛けると、知らない人達も含めた全てのリスクが平均的に勘案されたプレミアム費用を支払うことになります。
しかし、 Guevaraでは、お互いが信頼できる人達でグループを作り、自動車保険のコストを削減していけるというもの。数年間で最大80%もの保険料を下げることができるというから驚き。
グループは自身で作っても良いですし、Guevaraが提案してくれる車の利用の仕方が近い人達のグループに入ることもできます。ちなみに、このグループ間でコミュニケーションが取れるメッセージボードがあり、グループ内の意思決定もそこで行うことができます。
例えば、あまりにも事故の多い人がそのグループ内にいたとします。その人がいることで、年々下がっていくべき保険料が据え置きになって、グループメンバーに迷惑をかけ続けている場合。そんな時には、投票によって、事故の多い人が集まるグループに移動させてしまうこともできてしまいます。なんともすごい。
Guevaraは、サービスを開始した最初の24時間で、約1億7,000万円ものお金が集まった模様。今後の保険のスタンダードになるか?進展に期待です。
【参考】
・21世紀型保険モデルを目指して。英国発の保険のスタートアップ「jFloat」
トラッキングによる保険革命も
P to Pの保険革命にプラスして進んでいるのが、トラッキングによる保険革命です。
米国の保険会社Progresiveが、興味深い取り組みを行っています。自動車にSnapshotというデバイスを取り付けることにより、運転情報を送信し、それに合わせて保険料を決定するというもの。簡単に言ってしまえば、運転があらい人は保険料が高くなりますし、安全運転の人は保険料が割り引かれます。
これで最大で30%ほど、保険料が割り引かれるようですね。
また、「Fwdhealth」は、ウェアラブルデバイス及びアプリで健康状態をトラッキングして、健康保険の価格を下げることを支援するサービスを開始しています。
保険業界も世界的に大きな過渡期に差し掛かっている。現在進んでいる情報革命は、あらゆる業界に影響を及ぼしていきます。