ロボットによる接客は、ここ数年で劇的な進展を遂げていきそうだ。
「OSHbot」は、人間の質問に応えることのできる、お店のナビゲートロボットだ。スーパーで、欲しい物を探しているのだが、どうしても見つからず、店員に声をかけようと試みる。しかし、忙しそうに歩き回り、在庫を棚に並べ続けている姿に、声かけを躊躇した経験を持つ人は多いだろう。
こんな時、ナビゲート専門のロボットなら安心して声をかけられる。身長は約1m50㎝、重さは38.5kg、人の言葉が分かり、それに対応できることはもちろん、持ってきた製品をスキャンし、どこにそれが置いてあるかも丁寧に教えてくれる。
センサーによって、人や棚にぶつからないように、その場まで案内もしてくれる。
日本においても、ネスカフェのイベントで、ソフトバンクのPepperくんが接客をするというトピックが話題を呼んだが、数年もすると、このような光景は決して珍しいものではなくなるだろう。
より高度な悩みを糧にして
PHOTO: man relaxing and enjoying a view from Shutterstock
経済学者であるジョン・ケネス・ガルブレイス博士が、「失業者にただ校舎のペンキ塗りをさせるのではなく、『絵』を描いてもらうべきなんだ」と語ったことは有名である。
これまで人間にしかできないだろうと思われてきた仕事をロボットが純然と行うようになっていく。そして、今、私たちに問われていることは、仕事の再定義であり、人間の再定義である。
我々は、心の奥深くで、単純な世界から抜け出すことを望んでいる。そして、人類はより高度なモノへと悩みの先を求めている。絵を描き始めたら、そこから湧き出る無数の悩みに苦悶するだろうが、同時に見る創造性の泉に満たされることを強く望んでいる。
囲いの中で過ごす日々よりも、それから抜け出そうと試みて、傷つきながらも前進する、そういった命の喜びに人間は眩しさを感じるようになっている。人間は、それを追求する権利を持った存在として再定義され、21世紀の新たな希望の幕は開いていく。