ファブレス企業(工場を持っていないメーカー)の代表格は言わずと知れたAppleです。他にもには、テラモータース、日本で言えば、任天堂やダイドードリンコなども自社工場を持っていません。
その一番大きなメリットは、設備や人員への投資リスクを減らすことができること。その分、企画や設計に力を入れることができます。また、それに加えて需要に応じた生産量の調節がスピーディーに行える点もこの時代には大きなメリットですね。
もちろんデメリットもあって、製造ノウハウの蓄積ができない点がありますが、設備や人員が大所帯になるリスクから比べると、今後は圧倒的にファブレス型の企業が多くなっていくことでしょう。
そこで注目なのが、たった1人で運営されているデザイン家電メーカーさんがあります。その名はBsize。同社が開発したLEDデスクライト「STROKE(ストローク)」は、「最高の光」を「最小の構造」で作り上げた製品で、2011年のグッドデザイン賞も受賞しています。
上の写真にあるように、超細くてシンプル。「見たいモノを本来の姿に照らし出し、そのモノに意識を集中できる」というデスクライトのあるべき姿を実現した製品だそうです。自然光の下で見る感覚で、目も疲れにくいように調整されているようです。
ちなみに、こんな感じでコンセントにつなぎます!おおお超シンプル!
わ、分かりますか!? この先っぽがON/OFFのスイッチになっています。
iMacバージョンの使用例が!!!ほ、欲しい…。(笑)
価格が39.900円とちょっと高いですが、Appleユーザーなんかにはたまらない商品ではないでしょうか。
このように1人メーカーとなるには、3Dプリンターが必要!ということは分かります。更に言えば、3Dプリンタで出力する、3Dデータが必要となります。多くの人はこれがよく分かりませんよね。自分で3Dデータは作れない…とつまずいてしまいそうです。
しかし、実は写真などから3Dデータを作る3Dスキャナー(Sketch UpやAutodesk123D)というものがあり、今や無償で提供され始めているようです。すごいですよね!この辺りがクリアーされてくると、本当に「1人メーカー」がたくさん誕生してきそうです。この辺の詳しいところは、どんどん研究を進めていきたいと思っています。
コワーキングスペース×ファブラボ×クラウドファンディングが産業構造を変える
FabLab(ファブラボ・Fabrication Laboratoryの略)をご存知ですか?
3Dプリンタやカッティングマシンなどの工作機械を備えた市民工房と、その世界的なネットワークのことです。現在は20ヵ国以上50か所以上の街に FabLab が立ち上がっているとのこと。いわゆるパーソナルファブリケーションができる小さな工房ですね。日本にもFabLab Japanがあり、鎌倉、筑波、渋谷に工房があります。
このところ、3Dプリンターやパーソナルファブリケーションの話を続けていますが、3Dプリンター技術は「産業構造」までを本当に変えるのか?という疑問をお持ちの方もいらっしゃると思います。
「確かに家庭に普及するにしても、それは小物を作る程度で、今日本を支えているような大産業に影響が及ぶことは少ないのでは?」つまり「いくら3Dプリンターと言えども、家で個人でものづくりをするには、限界があるのでは?」という疑問です。
ここをつなぐ答えがFabLabを始めとするの「パーソナルファブリケーションコミュニティー」だと思っています。現在FabLabはカフェとともに作られていることが多いようですが、更に良いのは、コワーキングスペース機能を備えていくことでは?と思っています。
イメージとしては、コワーキングスペースに3Dプリンターやレーザーカッター等が置いてあり、いつでも商品プロトタイプを1人、もしくはチームで作ることができるようにします。そのラピッドプロトタイプをクラウドファンディングにあげて、予約受付、事前購入者を募るという流れです。
つまり、デザインする人、マーケティング&営業担当者、WEB&資料を作る人、事務作業をする人など、それぞれメインとなる役割分担をコミュニティー内で作られた「チーム」で行います。そのコミュニティーから「グローバル1人メーカー」(笑)も多く誕生していくことでしょう。
どうでしょうか。これが広がれば、本当に「産業構造」ガラッと変わります。これはグローバル化やオートメーション化同様、止められない起こるべくして起こる流れです。
コワーキングスペースを運営している方は是非、ファボラボの同時運営構想を進めていって欲しいと思います。
「コワーキングスペース×ファブラボ×クラウドファンディングが産業構造を変える」日本の製造業の大転換点が迫っています。
こちらの書籍、ものすごい勢いで予約が入っているようです。発売前ですが、ビジネス書ランキングではTOP1位〜5位をうろうろしています。
関連本を最後にもう1冊。
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