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アメリカのメディア環境の変化についての注目記事です。
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◆新聞、雑誌はデジタル化が加速
調査を受けた前日に新聞を読んでいた人は23%で、2000年の47%から半減しています。同じく紙媒体の雑誌は、前日に読んだのはわずか18%。新聞同様に、2000年の26%から減少しています。
◆1995年以降、オンラインニュースは常に伸びてきたが、2010年でその成長が止まりました。
ニュースを得る手段として週3日以上使うのは、オンラインが46%で2010年比で全く変わらず。検索エンジンが33%(2010年は34%)で微減。一方で、モバイル端末が15%(2010年は9%)、ソーシャルネットワークが20%(2010年は7%)と急増しています。
◆そもそもニュースを楽しむ人が減っている!
ニュースを楽しむ人がここ数年、減少傾向にあります。ニュースを非常に楽しんでいる人の割合が、2004年~2008年の52%をピークに、2012年には43%までダウンしました。30歳未満の若年層が24%(2008年は38%)が最も減っていますが、全年齢層でダウンしているもの注目です。
引用元: 米メディア環境の最新調査レポートを公開、もはやオンラインの成長は止まった!? | PRFREAK.
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「ニュースを楽しむ人がどんどん減っている」というところがおもしろいですね。
では、いったいその人達はどこへ向かっているのか?ここがこれからの社会において、とても重要なポイントになります。
情報消費から時間消費へ
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人類の消費コンセプトが「情報から時間へ」と以降していっています。ニュースを楽しむ人が減っている事実はまさにそれをあらわしています。私たちは、インターネットの急速な普及により情報消費が極地に達し、消費しきれない情報の中で生きています。常にニュースが読めて、メールが届く。またスマホで検索すれば、多くのことはその場で調べられてしまいます。
その結果、今、人々が不足感を感じているものは、一体何か?それが、体験及び経験です。そして、空間の共有であり交流なのです。
情報化の流れは常にグローバルな世界の中で展開されていくもの。しかし、この空間共有や体験についてはローカルに展開されていくものです。
情報消費から時間消費への流れは、グローバル化からローカル化への流れでもあります。これからの個人の豊かさの基準が「多くの経験や体験へ」と以降してくる理由もそこにあります。お金はどんどん情報化していきます。貨幣通貨は銀行通帳に書かれている数字でしかなくなり、ポイント通貨や評価通貨という情報は、拡大していく一方です。
その中で相対的に不足してくるものは、空間価値、つまり経験や体験なのです。現代においての真の豊かさは成功失敗を含めたあらゆる経験であり、その体験を多くの人と共有することとなりつつあります。これは空間において、時間を消費することで得られるものです。
こういった意味でこれからの事業は、この情報消費と時間消費をどのようにデザインしていくか、が重要になるわけです。
情報発信や商品の物流は常に日本中、世界中を意識したものである必要がありますが、一方体験、経験は常にローカルな視点から出発しなければなりません。コミュニティーやイベントの価値が高まっている理由がここにあります。
情報消費から時間消費への潮目の変化は、これからも大きな注目を集めていくことでしょう。
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