安価な家庭用3Dプリンターの普及が話題となってきていますが、3Dデータをアップロードすれば印刷をしてくれる3Dプリントメーカーさんが日本でも登場し始めています。
こちらの3Dプリントサービスを提供する国内最大手「インターカルチャー」さんは、3Dデータを7種類の素材から選んで印刷してくれます。
また、3Dプリンターでプリントする商品を販売するネットショップも運営されています。
ブローチやネックレスなどのアクセサリからiPhoneケースなどのガジェット、インテリア用の時計なども販売中。
作り手としては有り難い、3Dプリント技術や3Dモデリングに関しての情報もこのように提供してくれています。
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これらを見ているとインターカルチャーさんのモデルに、大企業の末端についている下請け、孫請け製造業が進む道の1つがあると感じます。
製造業の未来はどうなるか?
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シャープショック、パナソニックショックを見ても、多くの人が日本の製造業の未来について、悲観的な思いをされていると思います。グローバル化オートメーション化は益々進み、製造業における雇用の数は減り続けています。
しかし、一方光明も見え始めているのが現代です。それが、この3Dプリンターを始めとするデジタルファブリケーションの潮流です。今苦しんでいる中小零細下請け企業が「製造メーカー」となる可能性を秘めています。
例えば、1つオモチャをを作るとしましょう。今までであれば、金型を作るのに100万円かかり、一個あたりの材料費が1,000円。それを2,000円で販売しようとすると1,000個以上販売しないと利益は出ません。これが製造業のビジネスでした。つまり、このようなモデルは、大手製造メーカーにしかできず、多くの中小零細企業は、大手企業の下請けとなることで生き残りの道を探ってきました。
しかし、3Dプリンターで作る場合を考えると、材料費が1個1,500円のものを2,000円で販売すれば、1個目から利益を出せることになります。ここに産業構造を変える革命的なチャンスがあります。
ただ一方で忘れてはいけないことは、1,000個以上が販売できる時は当然金型を作る大量生産型の方がコストは安くなっていくことです。つまり大量生産モデルが全くなくなるかというとそうではありません。
よって、下請け製造業は、既存の製造ラインを残しつつ、デジタルファブリケーション事業を手がけ、新たな企業や個人などから仕事を請負い、かつ自身も製造販売メーカーとして活動していく素地を作っていくことが、これから重要な方向性の1つとなるでしょう。
大企業を頂点とした製造業のピラミッド構造は少しずつ崩れていき、製造関連事業者は、ある意味で横並びとなる状況も見えてきています。
世界中、日本中に芽吹きはじめたデジタルファブリケーションの流れをうまく取り入れ、自社にあった未来の製造業を作りあげていただきたいと願います。
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