GoogleがNexus 7を発売し、MicrosoftがSurfaceを発売する。このように、シリコン・バレーが再びハードウェアに回帰を始めています。そして、このハードウエア化をサポートする企業として、一躍注目を集めているのがPCHインターナショナルです。
製造、商品企画、包装、在庫管理、流通などサプライチェーンを一括でサービス提供している会社です。
こちらがイメージ動画。
そして、PCHインターナショナルは、世界最大のクラウドファンディングKickstarterで成功したプロジェクトの駆け込み寺の1つとなっています。例えば、以前ご紹介したスマートウォッチ「Pebble」などもまさに、PCHインターナショナルにサプライチェーンを任せています。
Pebbleは、数人のチームで作ったスマートウォッチですが、ソニーの開発したスマートウォッチを超え、1000万ドルを超える資金を調達しました。元々は10万ドルを目標としていましたが、予想を超える注文が殺到。このような場合に、PCHインターナショナルのような会社が必要です。
つまり、デジタルファブリケーション時代にメイカーが成長していくためのインフラの1つというわけです。
クリス・アンダーソンの書籍「Makers -21世紀の産業革命が始まる-」のP.204 に、家庭用風力発電機事業を参考に、こちらの図が掲載されています。
どのタイミングで製造委託するべきで、どのタイミングで作るべきか?という経営的な課題について1つの事例を示しています。もちろん商品により数量は異なるわけですが、製造委託、在庫管理、流通まで一括管理できたら、メイカーとしてはとても有り難いわけです。
デジタルファブリケーション時代は、こういったサプライチェーンを一括管理してくれるアウトソースサービスがとても重要な役割を担います。
皆が、なにかしらのメイカーになる時代
photo credit: Randy Son Of Robert via photopin cc
単純作業の「ロボットによる代替」が加速的に進んできています。こちらは2012年11月14日付のTechCrunchの記事。
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Foxconn、作業員をロボットで置き換えか
Foxconnのロボット100万台を購入して人間労働者を置き換える計画が、徐々にではあるが始まりそうだ。
伝えられるところによると同社は、ロボット1台につき2万5000ドル ― 労働者の平均賃金の約3倍 ― を支払う予定で、組み立て作業工程の人間を置き換えようとしている。この計画はかなり前からあり(一年ほど前にFoxconnの代理人から聞いた)、たしかに理にかなっている。人間は厄介だ。賃上げを要求するし、一つの工場に50万人抱えているだけで騒動の種だ。しかし、もし現場から注意深い若者たちが消え、代わりにウィーンとうなるロボットだけになったらどうなるのか。中国の「急成長」する経済はどうなるのか。
引用元: Foxconn、作業員をロボットで置き換えか.
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こういった「単純作業のオートメーション化」の流れがある一方で、私たちは、個人やチーム単位で、「クリエイティブな物」を作り出すことができるようになりました。デジタルファブリケーション時代が到来したのです。
そして、いつもご紹介するように、それを支えるインフラがどんどん誕生してきています。2013年は日本でも、ものづくりの潮目の変化を感じる年になるでしょう。
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