人間、何十年も生きていれば、ピンチの1つや2つはあるものです。
YouCaring.comは、ソーシャル・メディアなどでつながった友人、知人などから寄付を募ることのできるサービス。2011年10月に立ち上がったサービスですが、これまで27,000以上の募金活動に使われてきています。
家が火事になってしまった…、緊急入院でお金がない…、生まれた子供が病気で渡航費と治療費に多額の費用が必要…などピンチの時に、友人知人から寄付を募ることができます。
先日2013年4月24日(水曜日)の1日で、87,000人がサイトを訪れ、181,841ドル(約1800万円)の資金が調達でき、過去最高記録を達成したとのこと。
通常募金サイトでは、クレジットカード手数料に加えて、5〜10%の手数料がサービスサイトに支払われるのが普通ですが、YouCaring.comはなんとタダ。YouCaring.comを支える数千人のサポーターがいるようです。YouCaring.com自体が群衆による寄付で成り立っているということですね。
新たなコミュティーが「セイフティーネット」となる時代へ
旧来の地域コミュニティーは、封建的であり、束縛的な側面がありました。役割という名の元に、立場や地位への評価、時には差別意識が背景にある中で、そのコミュニティーは成立していたのです。
現代もその傾向性が深く残る地域は、それを嫌う若者も多くおり、例えば「地域の消防団には、仕方なく所属するけれど、飲み会には参加しない」という状況が多々見られます。
ここに若者が地域を遠ざけ、都会に行きたいと思う1つの大きな理由がありました。ただ、これが実現してきたのは、上下水道の完全普及による衛生管理が整った、ここ百年ちょっとの話です。
一方、都会はというと、人間が生活するのに必要なコミュニティーがなく、そこには犯罪や孤独が満ち溢れていました。その反動によって、都会ではどこか地域を牧歌的に懐かしむ風潮があります。
この地域と都会の空白地帯を埋める21世紀型のコミュニティーが今各地で生まれてきています。同じ志や共感、共鳴を元にした、学びの場やNPOにおけるコミュニティー。SNSにより復活した同級生や元同僚のコミュニティー。
また、同じような価値観、テーマを持った人が集まるネット上の緩いつながりにおけるコミュニティーです。
そして、そのリアルとネットのコミュニティーが重なるところに1つのセイフティーネットが生まれてきている。まさにYouCaring.comが示す未来です。
これからは、ある人がピンチ!ということが分かれば、本人もしくは友人の誰かが、その人をサポートする寄付型のクラウドファンディングを立ち上げ、皆で応援するということが、普通に行われていくことでしょう。
参考情報)友人知人同士で気軽にクラウドファンディングへプロジェクト投稿できるCrowdtilt(クラウドティルト)
“お祝い”に特化したクラウドファンディングAggregift(アグリギフト)