マイクロモノづくり支援をする株式会社enmonoさんが、メイカーズのためのモノづくりプラットフォーム「zenmono」をリリースします。
先日、enmonoの三木康司さん、宇都宮茂さんの書いた書籍「マイクロモノづくりはじめよう ~「やりたい! 」をビジネスにする産業論」の出版記念イベントに参加させていただきましたが、こちらの書籍にもzenmonoについて記述があります。
zenmonoは、通常のクラウドファンディングのように、プロジェクトを投稿し資金を集められることはもちろん、そのプロジェクト終了後、進捗状況に応じ必要となってくるリソースを支援していく仕組みです。
下の図は、書籍「マイクロモノづくりをはじめよう」のP245ページにある図。
サポーターとして、デザイナー・工場・販売店とあります。資金を調達したプロジェクトは進捗報告をし、必要な支援を公表しながらプロジェクトを進めていきます。ある種、クラウドファンディングとクラウドソーシングが掛け合わさったようなモデルなのでしょう。
元々enmonoさんは、町工場や中小企業の自社商品開発を支援してきた会社であり、実際にCAMPFIREFなどを通して、モノづくりの資金調達支援をしてきています。
三木さんは、クラウドファンディングの良さは「製品の取引先も見つかるところ」と言います。クラウドファンディングによって50万円が集まり、更に「その商品を取り扱いたい!」という業者さんから連絡があるという相乗効果を見込めるということです。
以前、私の方でメイカーズと町工場や職人をつなげる米国Makers Rowについて記事を書き、その必要性をひしひしと感じてきましたが、まさに同じようなメイカーズ向けの次世代インフラといった感じです。皆で応援していきたいですね。
参考)未来のものづくりベンチャー、メイカーズのインフラ「Makers Row」
※最新のコンセプトムービーが公開されましたので、追加でご紹介
日本はメイカーズにとって最高の環境
上の図は、書籍「マイクロモノづくりをはじめよう」のP225ページにある図です。クリス・アンダーソン氏の書籍「Makers」にある、生産地と生産個数の最適値について表されたグラフを、日本版として加筆したものです。
米国内では、1,000個単位の製造インフラが今や少ないようで、このロットは中国に委託生産することが有利となっています。
しかし、日本の場合、試作品を作った工場がそのまま大量生産体制を整え、ものづくり行ってきたという歴史があり、町工場は数百から数千個体の生産を得意にしているようです。
ただ一方、ロットが1万個に近づくと、やはり海外生産の方がコスト面含め、有利になってくるとのこと。
クリス・アンダーソン氏が言うような、モノのロングテールが起こり、1万個市場が無数に出現してくるこれからの時代も、実は日本が有利!この21世紀の産業革命は、これからも”ものづくり大国日本”が牽引できる!そんな希望を抱かせてくれます。
現在の3Dプリンタ革命、デジタルファブリケーション革命では、日本の出遅れ感は否めません。しかし、このような今起こってきている動きの中で、日本は新たなモノづくりの生態系を生み出していけると確信しています。