「読むこと」の未来に、「紙」は完全になくなるかというと、そうではないと思っている。
「Short Edition」は、短い小説をレシートのような紙に印刷するデバイスを提供する。フランスのグルノーブルの公共施設でパイロットプログラムとして開始されている。
1分で読めるもの、3分で読めるもの、5分で読めるものが、高さ1メートルほどのこちらの機械から出てくるという仕組み。
スマホで小説を読むという文化は若手を中心に広がったが、ショートショートの小説がその場で印刷され提供される仕組みは興味深い。今後は、小説だけではなくてもいいかもしれない。
例えば、これまで待合室には、雑誌や新聞、漫画などが置かれていた。これをレシートサイズの読み物に代替される可能性はないか。新聞や雑誌というパッケージが、今の時代の待合室にそのまま合っているかというと分からない。
提供されるレシートの最下部、もしくは裏に企業広告を載せて、設置する事業者にはお金がかからない仕組みにすれば…。
以前、「広告モデルを利用した電気自動車の無料充電ネットワーク」についてご紹介したが、「読む」という領域にも同じようなモデルが登場してきてもおかしくはない。
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