知らない状態には、2つある。「知らないことを知っている」と「知らないことさえ知らない」というものだ。
よく聞く言葉かもしれないが、今この2つを分けて考える重要性が増している。なぜなら、社会構造が変化する中で「知らないことさえ知らない」という状況が増えており、その認識の甘さが、各所で深刻な状況を生んでいるからだ。
この知らないことさえも知らない、その世界の中にこそ、次の時代を生きるための重要なヒントが隠されていることが少なくない。
これまでビジネスの文脈の中で語られれば、ある程度、誰でも理解できたようなことが、社会の変化とルールの進化によって、理解できない状況も生まれている。その理由は、知らないことをさえも知らない状態にある人が、知っている人とコミュニケーションを取ろうとした時に起こる。
例えば、10年前、製造業に勤める3Dプリンタを知らない人が、3Dプリンタを研究している人と話したら、きっとパニックになっただろう。
そこで当然必要なことは、せめて、知らないことを知っている状態へと持っていく努力だ。
今、私たちが情報を収集し、人と会い、コミュニケーションを取る際に必要なことは、知らないことさえ知らないことと出会おうとする姿勢だ。
Social Design Newsで取り上げるトピックが、社会における「知らないことさえ知らない」状況を少しでも緩和していれば…と願っている。