完全自動運転の議論を横目に、「自動配達ロボット」のコンセプトが現実に動き出そうとしている。
「Starship Technologies」は、Skypeの共同創業者Ahti Heinla氏が挑戦する新たなスタートアップ。ご覧のようにミニサイズの荷物輸送ロボットが、小包や食料品を指定する場所まで届けてくれる。
自動運転車を走らせる技術と同じく、事故のないようセンサーがまわりを常に感知し、人間の歩行スピードで荷物を運ぶ。その範囲は約5km、30分以内だ。
つまり、こういうことが可能になる。近くのスーパーの商品をネット注文する。時間指定をすれば、この輸送ロボットが運んでくれる。もちろんスマホ連携もされ、今どこまで運ばれてきているかもリアルタイムでチェックできる仕組みだ。
セールスポイントとして”日常の買い物時間、1時間を短縮すること”をうたっているが、これがまた分かりやすくていい。忙しい日常を送る現代人の多くを感激させるに違いない。
スーパー側のオペレーションの問題があるが、業務フローさえ明確に記せば、売上が上がることは間違いない。なぜなら「時間がなくて買い物できなかった」または「スーパーに立ち寄るのを忘れた」という場合の対処手段になるからだ。(コンビニにとっては競合になる可能性はあるが)もちろん、高齢化社会の味方になることは言うまでもない。
ちなみに、環境負荷ゼロをうたっているところもいい。使用されるエネルギーは電球以下だという。クルマで買い物に行くよりも、はるかに自然に優しいということになる。
現実的なところでは、やはり規制の問題が横たわるが、2016年ロンドンでこのロボットのパイロットプログラムが始まる。ドローン配送と輸送ロボットの議論が、日本においても深まっていくことを期待したい
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【参考】
・【BBM】『ビジネスモデル2025』長沼博之・著 vol.4122
・新著「ビジネスモデル2025」が1週間たらずで重版決定!ハイブッド型経済と広がる共有経済圏
・「ビジネスモデル2025」で紹介した”価値消費ピラミッド”と21世紀の消費について
・新たな経済パラダイムとビジネスモデルが出現する。新著「ビジネスモデル2025