セブンイレブンから楽天まで、服の試着をデジタル化しようとする動きは着々と進んでいる。
楽天が買収したのはエストニアで創立され、現在ロンドンに本拠を置くFits.meだ。同社の開発したバーチャル試着室は消費者とリテラーの双方にメリットをもたらす。消費者は関心を持ったファッション・アイテムが自分に似あうかどうかオンラインで試着できる。同時にリテラーはユーザーに関する詳しい情報を入手できる。
引用元: 楽天、バーチャル試着室のスタートアップ、Fits.Meを買収―ファッションeコマースに意欲 | TechCrunch Japan.
こんな時代であるがゆえに、服の小売りのあり方、服を販売する店舗のあり方も変化をしていく。服という物理的な存在における在庫及び流通のカタチは益々変化をしていくことだろう。そんな中「ハンガーバッグ」というデザインコンセプトが興味深い。
通常、服を店舗で購入する場合、在庫されている服を試着し、購入する場合はそれを袋に入れて持ち帰り、別のハンガーにかけかえてしまう。
しかし、これからは、店舗で試着をデジタルで行い、このハンガーバッグを手にして持ち帰ってクローゼットにそのままかけるというイメージさえ湧く。
元々クリーニング店等がデザインしている袋に近いように思うが、服の小売店にこれが導入されることにより、店舗スタッフとお客さんの服の購入からクローゼットにしまわれるまでの取引コストを下げられる。つまり、経営効率のアップと消費者手間を減らすことができる。
洗練されたデザインにおける取引コスト削減の好例であろうか。ハンガーと袋の新たな融合のカタチを引き続き見つめてみたい。
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【参考】
・【BBM】『ビジネスモデル2025』長沼博之・著 vol.4122
・Newsweek日本版「コストゼロ&シェアの時代のマネタイズ戦略」
・「ビジネスモデル2025」で紹介した”価値消費ピラミッド”と21世紀の消費について
・新たな経済パラダイムとビジネスモデルが出現する。新著「ビジネスモデル2025