フィンランドでベーシックインカムが本格導入されるニュースが世界を駆け巡っている。
Kela to prepare basic income proposal
フィンランドは北欧にある国家で、人口は約540万人ほど。世界の幸福度ランキング上位の常連で、それによって知っている人も多いはずだ。
来年2016年には最終決定がなされ、おそらく国民一人当たり800ユーロ、日本円にして約10万7,000円ほどが支給されることになるという。今回は地域限定で実験的にというわけではなく、一国をもって行われていくものであり、人類にとって重要なランドマークとなりそうだ。
ベーシックインカムによって、人々の幸福感がどう変化し、価値観がどう振れていくのかに世界が注目することになる。今後しばらくフィンランド社会から目が離せなくなりそうである。
またこのベーシックインカムのトレンドは、現代のC to C(Consumer to Consumer)の動きの大きな後押しになる。例えば、民泊 × アクティビティ × カーシェアリング =月収20万円という記事を書いた。
来年以降は日本でも、このあたりの話題で特集が数多く組まれることになるだろう。そこにプラスαで約10万円のベーシックインカムが入ってくるようなことが、もしあれば…月額30万円の収入があることになる。これは一人一人の働き方、生き方を変え、強いては社会のあり方そのものを変える巨大なトレンドとなり得る。
また最近は、このC to C向けのプロダクトも面白くなってきている。Airbnb用に使われるスマートロックは有名だが、最近Uberでは乗車するクルマを見つけるため、フロントガラスに貼付けるカラーバーをテスト導入し始めた。
Enabling Seamless Pickups through Color Coding
乗車客はスマホでその色を確認し、呼んだクルマにスムーズに乗車できるようになる。シンプルな発想であるが、重要な視点のように思う。2016年、C to Cから益々目が離せない。
※新刊「ビジネスモデル2025」が、発売1ヶ月半で5刷に突入!
【参考】
・【BBM】『ビジネスモデル2025』長沼博之・著 vol.4122
・Newsweek日本版「コストゼロ&シェアの時代のマネタイズ戦略」
・「ビジネスモデル2025」で紹介した”価値消費ピラミッド”と21世紀の消費について
・新たな経済パラダイムとビジネスモデルが出現する。新著「ビジネスモデル2025