2012年10月23日に発売されるクリス・アンダーソンの書籍「MAKERS―21世紀の産業革命が始まる」は日本社会において過去10年で最もインパクトを及ぼすビジネス書になるのではないか、と予想しています。クリス・アンダーソンと言えば、日本でも大きな話題となった書籍「ロングテール」や「フリー」の著者でもあります。今回の書籍はロングテールやフリーどころではない、衝撃的な変化を取り扱っています。
それは、「個人から起こる産業革命」について。
私たちは、日本の最大の産業である「製造業」のあり方が変わる瞬間に立ち会っていて、そのことが詳細に記述された書籍がこちらの「MAKERS―21世紀の産業革命が始まる」なのです。「大きな生産ラインが必要とせず、個人で生産が可能な社会」に突入します。
そのコア技術が、Social Design Newsでも取りあげている「3Dプリンター」です。
過去の記事はこちらです。
・製造業に1920年代以来の革命が起こる!3D印刷技術の世界。
・ここまで来た!「Shapeways」620万ドルを調達から見る「3D印刷」の可能性
ちなみに私も驚いたのですが、家庭用3Dプリンターは現時点で20万円ほどで手に入るほど安価になってきています。
書籍「MAKERS―21世紀の産業革命が始まる」の目次はこちらから
【目次】
第一部 革命
第1章 発明革命
第2章 新産業革命
第3章 未来の歴史
第4章 ぼくらはみんなデザイナー
第5章 モノのロングテール
第二部 未来
第6章 変革のツール
第7章 オープンハードウェア
第8章 巨大産業を作りかえる
第9章 オープン・オーガニゼーション
第10章 メイカーたちの資金調達
第11章 メイカービジネス
第12章 クラウド・ファクトリー
第13章 DIYバイオロジー
エピローグ 工業世界の未来の姿
付録 二一世紀の工作室
2013年「大企業とは何か?」 が問われる
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ご存知の通り、日本の外貨獲得モデル・国家運営モデルは「材料を海外から輸入し、それを付加価値の高い製品とし、海外へ輸出する」というものでした。しかし、このモデルすらも変わる瞬間に我々は立ち会っていると言っていいでしょう。
この書籍の発売によって、2013年に問われる「本質的な問い」はこちらになります。
「大企業とは何か?」
製造業を支えるのは大企業です。特に家庭用3Dプリンターの普及が目の前であることを考えると、コンシューマー向け製品を製造する大企業は存在意義を根本から問われることになるでしょう。シャープショック、パナソニックショックどころではありません。
また、これによって起業の壁は更に更に低くなります。だれでも製品を製造するメーカーとなることができるからです。
今まで、アイデアやプロトタイプを製造企業に売り込んで生産ラインにのせてもらい、でき上がった製品を流通してもらわなければなりませんでした。これだって相当難しいことですが、ましてや自分で作ろうと思えば、工場そのもの建てなければなりません。製造メーカー、または発明家として起業する壁はあまりにも高かったわけです。
しかし、これからは違います。誰でも製造メーカーとして起業できるのです。しかも初期投資はもちろん在庫というリスクもなく。
「MAKERS―21世紀の産業革命が始まる」かなりおススメですので、是非読んでみてください。
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