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じわじわと再構築されつつあるアメリカのものづくりの生態系。
日本では、どのような生態系が生まれてくるのでしょうか。3Dプリンタ時代、デジタルファブリケーション時代の日本の新たなものづくりの生態系はどうあるべきなのか。
日本は今、新たなものづくり社会のデザインを再考しなければならないタイミングにきています。
アメリカでは、アップルをはじめ大企業が、自国に工場を戻すという流れも生まれてきていますし、メイカーズムーブメントの1つのカタチも明確に見えつつあります。
そのカタチとは例えば、こういった流れです。
ガレージ文化の中、個人、もしくはチームが「今まで見たことがない製品」のプロトタイプを3Dプリンタなどを使って作ってみる。(3Dプリンタを皆で共有したり、シェアする動きも活性化し、ものづくりのハードルは益々下がりつつある)→そのプロトタイプをKickstarterなどのクラウドファンディングに投稿する。→お金が集まれば、設計・生産・流通などを請け負ってくれる会社へ丸ごと依頼をかける。
Kickstarter後のサポートについては、まだまだ課題がありますが、クラウドファンディング成功後を支援するECサイトTiny Lightbulbsなども生まれ、今後もこれらのサポート体制は強化されていくことでしょう。
では、日本版は一体どうなっていくのか?日本のものづくりの新たな生態系はどうあるべきなのか?
1万個市場は日本が引っ張る!
昨年、「コワーキングスペースに3Dプリンタが置かれていくと良い」ということを書きましたが、着々とその流れが生まれつつあります。
FabLaboはもちろん、FabCafe 、MONO、オオサカンスペースなど、続々とデジタルファブリケーションができるコワーキングスペースが増えています。
そこで次は、これらのアイデアや起業家精神溢れる人達が、中小企業、町工場、職人の方々とコミュニケーションをとっていける場が必要となってくるのでしょう。
その流れをスムーズにするには、どうすれば良いか?例えばこんな流れが仮説として立てられます。
「町工場、職人が集まる メイカーズ支援.com(仮名)」のようなWEBサイトを作る。そこには、新しいことをやろう(やってもいい)と考える、ものづくりに意欲のある中小企業、町工場、職人さんがデータベースとして並びます。
当然、そのデータベースには今までやってきたことや、得意なこと、また会社の歴史、人柄が分かるような情報を並べます。
そこに新しいものづくりをしたい!と思うチームや個人が問い合わせをしていくという流れです。
ただ、意欲やアイデアがあっても、プロトタイプが作れない、ものづくりの言語が話せないなど、様々な壁が立ちはだかることでしょう。
そのコネクター役を、地域のコワーキングスペースが行えれば一番スムーズなのでは?と思っています。またコワーキングスペースと言っても、当然ものづくり言語が分からない場合も多いでしょうから、そこに地域の自治体、役所と連携をとり、言語が話せる人(なんとなくでも可)とともにその町工場、職人さんのところに行くという流れをとります。
本格的に進めていくに当たっては、クラウドファンディングだけで、全てのお金がまかなえるわけではない場合が多いでしょうから、地域の方々や自治体とのつながりを強めるという意味でも、後々好影響を与える可能性があるわけです。
ちなみに職人.comというWEBサイトがあります。こちらは、「伝統技術を新しい形で発信している職人さんの作品」を販売する通販サイトです。きっと、私たちが知らないだけで、日本には新しいものづくりに意欲のある職人さんもたくさんいらっしゃるのでしょう。
町工場やものづくり中小企業のデーターベースもちょこちょこあるようですが、情報量も少なく、当然メイカーズに向けたものではありません。
きっとこれらのものがうまく混じり合い組合わさった時、新たな日本版のものづくりの生態系が生まれ「1万個市場は日本が引っ張る!」と信じています。