地域のお店と地域の人々を効率的につなげるための決定的なツールというのはまだない。
「Pointy」は、これまでになかった新たな手法でそこに挑戦をする。お店側はバーコードスキャナーとレジの間に、小型のデバイスを設置する。
その状態から商品のバーコードをスキャンすると、Pointyのアプリ上に商品が登録され、地域の顧客へのアプローチになる。
Pointyアプリを利用した顧客は、ご覧のように目当ての商品を売っている近くのお店の詳細情報を知ることができる。
しかし、ここまでであったら物足りないだろう。Pointyの特徴は、それがGoogleなどの検索エンジンでも表示されるようになること。つまり、商品をバーコードスキャンすれば、自店のショッピングサイトができていくイメージだ。
小売店にとって、オンラインショップの運営の手間は大きい。新商品の登録1つとっても説明文から写真のアップロードまで、予想以上に大きな手間となる。しかし、それをいつもやっているバーコードのスキャンだけで行えるとしたら…。その価値は小さくないはずだ。
当然、Amazonなどの大手との競争を考えると、最後には物流の問題が出てくる。近くに商品があったとしても数キロ、もしくは数百メートル先まで行って買い物することはせず、自宅まで届けてくれる方を選ぶ人も当然多いからだ。
しかし、それが「Starship Technologies」や「dispatch」の自立型の物流ロボットによって、補われていくとしたなら…。つまりロボットが家まで商品を運んでくれたとしたら…。またそこに可能性が出てくるはずだ。
【参考】
・2016年はラストワンマイルを担う「物流ロボット」元年になる
ちなみに、お店がPointyを導入する場合、3ヶ月の無料お試し期間があり、初期投資は99ユーロ。その後は月額10ユーロを継続的に支払うモデルとなっている。物流ロボットとも連携をする、地域のお店と市民をつなぐ新たなショッピングモデルに注目していきたい。
※新刊「ビジネスモデル2025」が、発売1ヶ月半で5刷に突入!
【参考】
・【BBM】『ビジネスモデル2025』長沼博之・著 vol.4122
・Newsweek日本版「コストゼロ&シェアの時代のマネタイズ戦略」
・「ビジネスモデル2025」で紹介した”価値消費ピラミッド”と21世紀の消費について
・新たな経済パラダイムとビジネスモデルが出現する。新著「ビジネスモデル2025