「オンラインコンテスト」の利用が、より広がりをみせそうです。
中小企業やベンチャー企業が、気軽にオンラインコンテンストを行えるサービス「OpenSkild」。
Skildは、Google、AT&T、オートデスク、ナイキ、NASA、GEなどが、創造性とイノベーションのきっかけを得るために使ってきた、コンテストマネジメントツールです。
高い信頼性、安定性を持ち、使いやすく自動化されたコンテストソフトウェアを、多くの人に利用してもらおうとする取り組みが、この「OpenSkild」。利用価格は、毎月500ドル(約5万円)+イベントごとに1500ドル(15万円)となっています。
これは、衆知を集めるコンテスト形式の「クラウドソーシング」がより広く利用されるであろう可能性を示します。
例えば、Ben & Jerry’sがニューヨーク、ワシントンD.C.、サンフランシスコ、シアトルなどの限定新商品をオンライン上の投票で決める「City Churned」というキャンペーンを実施しましたが、今後こういったコンテストが、様々行われていくのでしょう。
【参考】
・その地域の「味」を作る!Ben & Jerry’sが行うクラウドソーシングキャンペーン
ちなみに日本でも、ランサーズやクラウドワークスの「コンテストシステム」を自社で使いたい、なんていうニーズはあるのでしょうね。どこかの段階で提供されてくる可能性はあるかも。
コンテストは仕事をゲーム化する
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今後、あらゆる仕事に「コンテスト」が導入されていきます。
拙著「ワーク・デザイン」も装丁をコンテスト形式で募集し、35名・70案のデザインが集まりました。より安い価格で、より良い装丁が完成したと感じています。
仕事は、21世紀中に限りなくゲームに近づきます。モバイルクラウドソーシングという流れも始まってきていますし、この延長には、思ったことを瞬時にプロトタイプ化し、製品化し、世界に販売するという未来があります。
【参考】
・クラウドソーシングプラットフォーム「Clickworker」が、モバイルクラウドソーシングサービスを開始
このスピードが極限的に速くなっていく世界は、もはやゲームと変わりません。
ただ、このような世界は「経済競争」と一緒に論じられるので、「あまりに競争が激しすぎて、食べていけない」というイメージとつながり絶望的に見えてしまいます。
しかし、私たちは社会保障も含め、時代が大きく変わる文明的転換点にいることを忘れてはなりません。
ポジティブに考えれば、この流れの延長には、より創造的に仕事を行うことができる時代へと突入するとも取れるわけです。
いずれにしても注目をしきたいトレンドです。
【Social Design Newsから本が出ました】
ワーク・デザイン これからの働き方の設計図
働き方は無限大。
組織や事業の寿命よりも、人が働く時間のほうがはるかに長くなった現代。
テクノロジーの進化と人々の価値観の変化によって、「働き方」が大きく変わりつつある。
メイカーズ、クラウドソーシング、クラウドファンディング、ソーシャルスタートアップ……「仕事の未来」には、無限の可能性が広がっている。
あなたは、どの働き方を選びますか?
さらなる進化を遂げるテクノロジーと新たな時代の価値観が出会ったことで、
これまで考えられなかった(あり得なかった)ような働き方が可能となった。
今、私たちの目の前には、数限りない働き方が存在する。
私たちは、自らの働き方を自分で選び、実行していかなければならない。
それが、本書の言う「ワーク・デザイン」である。 ――「はじめに」より
本書では、これからの働き方の新構造を次の7つのステージで捉えた内容となっています。
・新しい「働く」の価値観
・消費社会から生産社会への潮流
・ワークプロセスの文明的大転換
・組織形態の変化
・キャリアデザインについて
・タスクデザインについて
・これから必要とされる個別スキル
現在の「働く構造の進化」は、各ステージをバラバラに見ても分かりません。7つの構造全体を体系的に捉えることで、始めて進化の本質が見えてきます。
Amazonの「なか見検索!」で一部内容を読めるようになっていますので、ご興味のある方はこちらからご確認ください。【書籍】ワーク・デザイン これからの働き方の設計図
※ライフハッカー[日本版]で本書を大きく取り上げていただきました。
「いま、新しい働き方『パラレルキャリア』が重要だ、と言える理由」