「地域における芸術や文化って、21世紀、残りうるのかね…」
ため息にも似たそんな問いかけに、その場が静まり返ってしまう。それほどまでに、このカテゴリーの足腰は弱ってきている。
サンフランシスコのベイエリアから始まった「RushTix」は、そんな問題に一石を投じようとしている。地域の演劇、音楽ライブ、お笑いライブ、コンサート、ミュージカルなどに行き放題のサービスを提供する。
インドア派は多い。その理由の1つとして、外に出る強い動機がない、というのがある。「家の中で生活するよりも、外に積極的に出ていこう!」心がけはするものの、実行するまでにはハードルがある…。
RushTixはそのような場合の強い動機になりうる。月額99ドルを支払えば、地域の芸術、文化、音楽等のイベントに行き放題。バイキングで食事をするように、今日は何を観に行こうかなと、自由にライブやイベントを選ぶことができる。
先日、映画館の空席を安く販売するプラットフォーム「Dealflicks」について取り上げたが、今後映画館がこのプラットフォームに入ってくることだって考えられる。
【参考】
・映画館で1,800円は払いたくない!でもDVDになるまでは待てない!の「間」に生まれるカルチャー
音楽の未来を語る時、今必ず出てくるのは、ストリーミングサービスSpotifyである。
月額9.99ドルを支払えば、広告なしで音楽が聴き放題。音楽ファンにとっては有り難い限りなのだが、年間120ドルの支払いは、米国の1人あたりの音楽消費金額の2倍以上となる。アーティストは、その再生回数に応じて、ロイヤリティが支払われる仕組みだ。
要は、RushTixは、このモデルをリアルな演劇、音楽ライブ、お笑いライブなどで実現しようとしているわけだ。
こちらのサービス、芸術や音楽などが好きな人向けのプレゼントにも良さそうだ。1ヶ月分のパスポートを、誕生日の月に、家族や友人みんなでプレゼントするなんていうのはどうだろう。受け取った側の1ヶ月のイベントライフは、考えてもみなかったワクワクとの出会いで彩られるに違いない。
いずれにせよ、RushTixの今後の展開に注目していきたいところ。
【クエスチョン】
・地域の芸術、文化を活性化させるためのこれまでにない新たなサービスを考えてみよう!