時代は「深さ」を求める。
最近の話題の結論はいつもこうだ。「幸せのため」「豊かさのため」。それは日々の生活において、また仕事をする中で求められているわけだが、そんなことは考えてみれば当然のことである。問われているのはその先だ。
また、次のようなことも言われる。
「プレッシャーはいいものだ」「無力感がむしろエネルギーにさえなる」もちろんこれらは一面に過ぎない。状況、バランスによる。一側面を見て全体を語ろうと思っても、もはや、その言論は煙の如き空虚さが漂う。
だからこそ人は「深さ」を渇望していく。水面の情報消費に、人々は飽き飽きしているのだろう。
「欲しいモノ」のない世界は、深さのない意匠への抵抗ではないか。数十年後の人類は、大量消費時代の「所有と消費の病」を笑うことになるはずだ。
そして人生も、その表層ではなくその深みによって評価をされるようになる。着飾っているものはいつか剥がれる。その現実は、超長寿社会であればあるほど露呈していく。
何も着飾ることのない、裸一貫の精神の力。そんなものを人々は知らず知らずに評価するようになるのだろう。
つまり、その人の評価は、その人の生き方そのものになる。キャリアでも、地位でもない。自分が経験していることは、世界も経験していること。その気概をもって、悲しみも喜びもオープンにし、個別によって普遍を語る。大衆一人一人が持つその体験と言説の力は、これから益々強まっていくに違いない。
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【参考】
・【BBM】『ビジネスモデル2025』長沼博之・著 vol.4122
・新著「ビジネスモデル2025」が1週間たらずで重版決定!ハイブッド型経済と広がる共有経済圏
・「ビジネスモデル2025」で紹介した”価値消費ピラミッド”と21世紀の消費について
・新たな経済パラダイムとビジネスモデルが出現する。新著「ビジネスモデル2025