世界は大いなる転換期にある。今年もAIが話題の中心に来るので、人々の意識もそこへより向かっていくことになる。華やかなるこの領域のスタートアップも続々と登場することだろう。
しかし、焦点はもうその次の段階に当たり始めている。つまり、AI後の世界である。AI後の世界の予兆が、各所に人々が気付かないうちに芽吹き始めていく。
それは、新たなビジネスだけでなく、社会的な制度や価値観の変化も含めてのことだ。Social Design Newsで取り上げていきたいことは、AI事業トピックは当然であるが、その事象の意味とその先の世界にあるものである。
これまで個人は消費者という側面で語られることが多かった。しかし、ここ数年でその受動的なワードはゆっくりであるが薄れていっている。消費は人々の生活の重要な焦点ではなくなりつつある事実が、浮き彫りになろうとしている。
更に、この消費なき世界は、AI後の世界と密接に絡み合っている。これまで言われてきた消費は「意味の創造」という側面を強めていくのであろう。
例えば、物語消費と言われるものの実態は、この新たな意味に自身を埋めていくことに等しい。しかし、それも単なる消費の文脈では続かない。参加者が何かを創造しているという実感と「生きている」という生の充実が、そこにプラスαでなければならなくなる。
今人々が抱えている潜在ニーズは、自分もがゲームチェンジに参加したいというものだ。ゲームチェンジは誰もが知っている大企業や華々しく報じられるスタートアップが行うことのように思うかもしれない。しかし、AI後の世界の真のゲームチェンジャーは、あなただ。誰もが、ゲームチェンジャーなれる世界を創造するために動く企業が最終的には支持をされる。
いずれにせよ、時代は想像以上に速く動いている。その中に潜む意味とその先の世界像を今年も発信し続けていきたい。
※新刊「ビジネスモデル2025」が、発売1ヶ月半で5刷に突入!
【参考】
・【BBM】『ビジネスモデル2025』長沼博之・著 vol.4122
・Newsweek日本版「コストゼロ&シェアの時代のマネタイズ戦略」
・「ビジネスモデル2025」で紹介した”価値消費ピラミッド”と21世紀の消費について
・新たな経済パラダイムとビジネスモデルが出現する。新著「ビジネスモデル2025