何を信じるのか。それによって人生は大きく変わる。そして、人間は何かを信じ続ける中でしか生きることはできない。
今から1分後に、震度7の大地震が来ないということを信じているから、安心してここに座っていられる。また、何かに懐疑を起こすのは、自分の信じている基盤からそれを疑っているのであって、例え懐疑論者であっても、全ては信じることから始まっているのである。
逆にいえば、人は何も信じることができなければ、一歩たりとも足を踏み出すことができない存在だ。
そして、多くの場合、私たちは何を中心的に信じているかというと、自身の経験である。経験とそこから生じた感情、心の動きだけは誰がなんと言おうと、自身が現実に感じたものであるため、信じるしかない。存在を認めるしかない。
その経験と、更には外部情報との関係性をもって、人の心は、瞬間瞬間たゆみなく動き続けている。止まっていることはない川の流れのように刻々と変化をしているのである。
そんなことを考え、私たちが今一度問うべきことは、「時代は一体何を信じているのか」ということである。
大切なことは、「向かう方向」だけではない。夢や目標、幸せや豊かさ、その向かう方向の議論は大切なことだ。一方、「どこを基盤にし、どこに向かおうとするのか?」が基本だとするならば、どこを基盤にするか、つまり何を信じ、これからどのようなものを信じていこうとするのかが重要になる。
これは、理念とビジョンとの関係性について語っていることに等しいが、ビジョンさえ理念から生まれるものである。人が、時代が、これから何を信じようとしているのか。それによって、私たちの未来は決まっていく。
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